あかりを語る上で重要な「色温度」と「照度」
ライフサイクルの変化にあかりをどのように対応させていくか、より具体的に説明する前に、光を語るときに知っておきたい知識について解説しましょう。どのような光かを表現するには、光の色温度と照度という尺度があるのです。光の色を表現する際、「赤みがかった光」「青白く見える光」などと言うことがありますよね。この光の色の違いを色温度と呼び、K(ケルビン)という単位で表します。私たちは同じ部屋にいてもあかりの色温度と照度によって、心地よく感じたり、不快に感じたりします。こういった色温度による心理効果をクルーゾフ効果(右図)といいます。
また、照度は明るさのこと。単位はlx(ルクス)。人は光の色温度と照度の組み合わせによって、くつろげる空間、作業に適した空間と感じます。色温度と照度を季節や作業内容のほか、そのときの気分や体調などによって変化させることができれば、理想的な空間をつくり出すことができるのです。
子どもの勉強時は特に注意を
机の上に影ができないようにスタンドなどを活用
子供部屋は、そこで遊んだり勉強したり、夜は睡眠をとったりと、一つの部屋の中でさまざまなシーンが展開されます。シーンごとに最適な明るさや光の色が求められるのですが、その割には、いくつもの照明を設置することはほとんどありません。
特に勉強時の照明は、教科書や参考書の小さな文字もくっきり読みやすいことが重要です。机の上に影ができてしまうようではダメ。加えて、白黒のコントラストがはっきりする光の色温度が求められます。
具体的には、普段よりも白っぽい光が適しているようです。部屋全体を明るくしたり、机の上のスタンドを点灯して手元の明るさを確保し、影ができないようにするとよいでしょう。
高齢者と若者、両者を快適にするLED照明
高齢者がいる場合、明暗のコントラストがきつくなりすぎないように多灯使いで
人の視力は加齢とともに低下していき、ものを正確に見るために必要な明るさは、高齢者で20代よりも2~3倍といわれています。高齢者の場合、明暗の認識も低下し、明るいだけではなく、まぶしすぎない照明が求められているようです。
眼の機能が衰え、明るく明暗の差の少ない空間が必要な高齢者に対し、若者が落ち着く空間は電球色などの暖かみのある色合いで、明るさも少し落としたような状態。同じ空間で両者が共に快適に生活することは難しそうですが、このような場合、天井に取り付けたシーリングライトだけで対応するのではなく、例えば高齢者がいるリビングは明るく、若者がいるダイニングは抑えめにするなど、複数の照明を用いて両者が快適にいることができる工夫をしてください。
上記のような状態でも、省エネ性能の高いLED照明なら消費電力はあまり気にならず経済的ですね。
ライフサイクルを考えるなら、多機能で長寿命なLED照明を
ライフサイクルやライフスタイルなど、家族年齢の変化や趣味嗜好の多様性を考えると、それぞれ時期やシーンに最適な照明を選ぶことが大切だということがよくわかります。そのためには、やはり明るさや光の色が柔軟に調整でき、多様な機能を持つ照明が便利です。LED照明なら、こういったことが可能で、さらに長い期間に渡って家族や生活の変化に対応しつつ、長寿命で省エネというメリットを享受できます。これから照明を選ぶのなら、省エネや長寿命といった性能はもちろんのこと、「ライフサイクルに対応する」という観点も付け加えてみてくださいね。
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