ホラーの王道を行く前田敦子主演映画『クロユリ団地』
根強いファンを持つホラー映画。ジャパニーズ・ホラーは映画『リング』の大ヒットにより、ブームにもなりましたね。ハリウッドでリメイクされるほど、日本のホラー映画は恐怖描写が秀逸なのです。それは人間の心理に巧みに近づき、不安にさせて、恐怖の底に突き落とす!という描写が、丁寧で繊細だからかもしれません。そんな日本のホラー映画の王道を行く作品が登場しました。前田敦子と成宮寛貴主演の『クロユリ団地』です。
引っ越してきた団地の秘密とは、ヒロインが陥る恐怖とは!
二宮明日香(前田敦子)は家族とともにクロユリ団地に引っ越してきます。母に頼まれて隣の家に挨拶に行きますが、人の気配はするものの、住人は姿を見せません。その晩から、彼女は壁をガリガリとひっかく音や目覚まし時計の音に悩まされます。「隣の人は何者?」。
明日香は、砂場の少年、ミノル(田中奏生)と仲良くなり、隣の人物はミノルが「おじいちゃん」と呼ぶ、老人であることを知ります。介護士を目指す明日香は、それ以来、隣の老人のことが気になって仕方がなく、鍵の開いていた隣の部屋に入っていき、そして、篠崎(高橋昌也)の死体を発見してしまいます。
篠崎を救えなかったことを気にする明日香。彼女は、その家に訪れた清掃会社の笹原(成宮寛貴)と出逢い、彼から「遺品の整理をしていると、よく妙な物音が聞こえる」という話を聞きます。その後、介護の授業の最中、篠崎の霊が明日香の目の前に突然現れ、明日香をパニックに!
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