完全オリジナル設計の5ドアハッチバックボディ
テレビでのニュース等でもたびたび取り上げられているので、「テスラ」という名前を聞いたことのある人は少なくないことでしょう。テスラは2003年にアメリカ西海岸のシリコンバレーのパロアルトで設立された、EVを専門に手がける自動車メーカーのベンチャーで、正式名称は「テスラモーターズ(Tesla Motors, Inc.)」です。2008年に第1弾の「ロードスター」を発売。そして第2弾が、ここで紹介する「モデルS」です。欧米では2012年夏よりデリバリーが開始されており、日本でも同年秋より予約受付を開始。そして、本格的なデリバリーを前に、ひと足先に日本に上陸した貴重な1台に試乗するチャンス恵まれました。
「ロードスター」はロータス エリーゼをベースとしたオープン2シーターだったのに対し、スタイリッシュなセダンボディをまとうモデルSはテスラの完全オリジナル設計。実は独立したトランクのない5ドアハッチバックの堂々たる大柄なサルーンです。
また、コンポーネンツのレイアウトの自由度の高いEVの強みを活かし、ロングホイールベースとショートオーバーハングとするとともに、モーターをリアアクスルに搭載し、テスラとパナソニックの共同開発によるリチウムイオンバッテリーをフロア下に敷き詰めています。
これにより車両重量は2100kgを超えるものの、低重心と、48:52という理想的な前後重量配分を実現。優れた操縦安定性とともに、エンジンを動力源とする自動車では不可能なスペースユーティリティを得ています。これほど流麗なスタイリングでありながら、後席の居住性に優れ、足が組めるほどニースペースも広く、センタートンネルもなくフロアは完全フラット。トランクについても、テールゲートを上げると予想よりもずっと広いスペースがありますが、それだけでなくフロントにもけっこう大きな荷物を積めるスペースを確保しています。