スマートループアイ・スポットや全国約5000カ所
さて「スマートループアイ」である。これは、カメラで撮った画像がスマートループのサーバーにアップロードされ、他のサイバーナビ・ユーザーと共有できる機能だ。画像がアップロードされる場所はスマートループアイ・スポットとしてあらかじめ設定されていて、ジャンクションやSA、PAなどの高速道路施設、交通量の多い交差点、ショッピングモールなど人気施設の駐車場入り口など、全国で約5000カ所が設定されている。またVICS情報に応じて、交通規制情報が配信された地点付近も自動的にスマートループアイ・スポットとなる。画像の確認の仕方だが、ルート走行時はスポットウォッチャーにより、ルート上にあるスマートループアイ・スポットの画像が、場所や撮影時刻付きで自動的に画面上に表示される。その画像にタッチすれば、画面の左5分の3ほどの面積を使って、大きく表示することもできる。その詳細確認画面には、静止画の他撮影日時、方位、走行速度も表示。走行速度が表示されるのは、どの程度混んでいるのかをイメージできるので便利だ。
また、通過することが多い交差点や、良く行くショッピングモールの駐車場など、利用頻度の高いスマートループアイ・スポットは、マイスポットに登録可能。必要に応じて、リストから素早く画像を確認できる。自宅周辺の渋滞しがちな交差点の画像を事前に確認できれば、その日にどの道を通って行くか、出発前に参考にできるし、駐車場の入り口が複数ある大型ショッピングモールなどは、事前に少しでも空いている駐車場を見つけ、そこをめがけて行くことができる。マイスポットは最大10件まで登録可能だ。
またスマートループアイ・スポットの周辺検索も可能。旅先で検索してみれば、混雑しやすい交差点を把握でき、混雑具合もわかるので、そこを回避するか否かの判断も事前にできるというわけだ。
監視カメラの画像を車内で見るイメージ
このスマートループアイを、デモカーで実際に体験してみた。といっても、この機能は実際にユーザーがスマートループアイ・スポットを走って通過することで画像がアップされるわけだから、発売前の今はパイオニア社員がテスト走行した画像しかアップされていないことを了承いただきたい。目的地を品川駅に設定し、六本木ヒルズ付近からスタート。ほどなくしてルート上のスポットウォッチャーの情報が、画面右側に表示される。この画面には、スポットウォッチャーの場所、撮影した方向、日時の情報もある。太陽の位置など撮影条件などにも左右されると思うが、小さい画像なのでこのサムネイルで混雑具合を判断するのはほぼ無理。拡大画像を見るには、サムネイルの画像にタッチすればいい。そこで通信が始まり、拡大画像を取得する。
このとき注意したいのは、スカウターモードやドライバーズビューではなく、2Dや3Dの通常地図で使用すること。スカウターおよびドライバーズビュー時は画面の左5分の3ほどがスカウターまたはドライバーズビューの画面で、右5分の2ほどにサムネイルが表示されるので、地図上で自車位置を確認するということができないのだ。もちろん2Dや3D地図の状態だと、問題は無い。
詳細拡大画像を表示させると、スカウターまたはドライバーズビューが表示される左5分の3ほどの面積をつかって、スマートループアイ・スポットの画像が表示される。この大きさだと、混雑具合も一目瞭然。撮影日時や走行速度も文字情報として提供される。この時の画像は、実際に走った日の前日のものだったが、本格稼働してユーザーが増えれば、最長でも約5分前の画像が取得できるそうだ。そのタイムラグの間に、映ったクルマのナンバーを消すなどの、プライバシー保護処理を施すという。
カメラの性能アップでスマートループアイが実現
画像だが、思いのほか鮮明。これまでのARスカウターモードでは、とくに逆光時に画像が見えづらいといった課題があったのだが、新サイバーナビのカメラは解像度を上げるとともに逆光にも強くなっているようだ。そのおかげでスマートループアイが実現。したがって、昨年までのサイバーナビはスカウターユニット付きのモデルであっても、スマートループアイには対応しない。まだ本格稼働していない今の状態で、スマートループアイが有用かどうかを判断するのは難しいが、可能性を感じる機能ではある。言葉は悪いが、新サイバーナビのユーザーが監視カメラ付きのクルマで走り回り、その画像を他のユーザーが車内で確認できるというイメージ。とくに片側複数車線の交差点や高速道路のジャンクション等では、どの車線が空いているかなど、車線単位での走行ルートの事前確認ができそうだし、規制情報で混み具合が確認できれば、高速を降りるかそのまま進むかの判断もしやすいだろう。目的地に速く快適に着きたいドライバーには、大いに役立ちそうな機能だ。