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HVT方式がスピーカーの常識を変える!?

年明け早々、カロッツェリアが発表したサテライトスピーカー、TS-STH1000に採用されたHVT方式は、従来スピーカーの常識を覆すという画期的な技術だ!

石田 功

執筆者:石田 功

カーナビ・カーオーディオガイド

HVT方式がカーオーディオを変える!?

年末から年明けにかけて、いくつかのメーカーから早くも2010年新製品が発表された。その中から注目のモデルを紹介しておきたい。カロッツェリアのサテライトスピーカー、TS-STH1000(42,000円)である。
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HVT方式を採用したカロッツェリアのサテライトスピーカー、TS-STH1000(42,000円)。ボディは厚さわずか36ミリと超スリム

用途が限定されるサテライトスピーカーだから、新製品発表会を兼ねた技術セミナーに行く前は、あまり興味を持っていなかったというのが正直なところ。しかし実物や様々な試作機を目にして、実際に音を聴いて感じたのは「今後、この技術を応用した様々な製品が出てきたら、カーオーディオに大きな革命をもたらす可能性があるのでは?」ということだ。そのカギとなる技術が「HVT方式」である。

飛び出す絵本からヒントを得てリンク機構を採用

HVT(Horizontal-Vertical Transforming)方式とは、上下に動く振動板の横に、水平方向に動くボイスコイル配置した方式。従来のスピーカーは下の図のように振動板とボイスコイルが積み重なるように直結していて、ボイスコイルの動きに応じて振動板が動く。つまりボイスコイルと振動板の動く方向は同じで、振動板の深さとボイスコイル等の磁気回路の大きさがあるため、薄く設計しようにも限度があった。
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従来のスピーカーはボイスコイルと振動板が積み重なった構造だから、薄くしようにも限度があった

ところがHVT方式は下の図のように、ボイスコイルの水平方向の動きをリンク機構によって垂直方向の動きに変えている。しかもボイスコイルは従来のスピーカーのような筒型では無く薄いフラットタイプだし、振動板も平面。「子供が持っていた飛び出す絵本を見て思いついた」というHVT方式のおかげで、厚さ36ミリという超スリムなボディに仕上がっている。
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HVT方式の構造。ボイスコイルの水平方向の動きをリンク機構によって垂直方向の動きに変えて振動板を駆動する

だから、クルマの壁面に張り付けるように設置可能。従来のサテライトスピーカーはルームミラーを覗くと見えたりして多少なりとも後方視界を妨げたが、サイドの壁面に貼り付けるよう設計しているのもあって、後方視界を妨げることはない。そのためTS-STH1000には「ステルススピーカー」というニックネームを付け、わざわざオリジナル・マークまで作製している。
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クルマに装着しても後方視界を妨げないし頭上の空間も確保できる

次ページはまだまだあるTS-STH1000の凄さ
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