それでも、雨の多いこの時期に、あえて幸せになれると信じてご結婚されるお二人に、今回は応援の気持ちも込めてピッタリのおすすめジャズ(JAZZ)を三つご紹介します。
あなたに、最初におすすめするのはこの曲です!
Morning Dance
スパイロ・ジャイラ 「モーニング・ダンス」よりモーニング・ダンス
待ちに待った六月の結婚式の朝です。今までの人生で最も楽しく、そしておそらくは一番長い一日。迎えるにあたって、気持ちの良いBGMで準備にかかりたいものです。
そんなお二人の朝にピッタリのBGMがこちら!有名フュージョンバンド「スパイロ・ジャイラ」の大ヒット作、「モーニング・ダンス」です。
「スパイロ・ジャイラ」は、1975年にニューヨークで結成されたバンドです。彼らの代表作でもあるこのCDは、1979年の録音。古い録音ですが、今聴いても全く古さを感じさせません。
ここはやはり一曲目の「モーニング・ダンス」からかけてみましょう。さわやかなスティールドラム(ドラム缶のような金属製の音階のあるドラムの一種)のイントロが流れてきます。
そして、グループリーダーのサックス奏者ジェイ・ベッケンスタインが、アルトサックスで軽やかにテーマを奏ではじめます。続いては、マリンバ(木琴の一種)によるリゾートを感じさせるソロです。
次々に入ってくるギターのカッティングやコンガが楽しさを演出します。次にジェイによるアルトサックスが再びでてくる頃には、すっかり二人は楽園の朝の気分に。
トロピカルな心地よさに浸っていると、四分間の演奏はあっと言う間です。エンディングがフェイドアウト(徐々に音が小さくなってそのまま終わってしまうこと)するのがもったいないと感じるくらい、心地よいサウンドが続きます。
このCDはこの一曲目「モーニング・ダンス」の他にも、テレビでもよくBGMとして流れていた「ソング・フォー・ロレイン」。ゲストのドラムのスティーブ・ジョーダンやソロを取るテナーサックスのマイケル・ブレッカーがカッコイイ「スターバースト」など聴きどころが多いのが特徴。
ワクワクする期待感や、喜びに満ち溢れた朝の始まりには、最適のBGMと言えます。
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次に、おすすめするのはこの曲です!
ビージャズ
ビー・ジャズ!ゼアズ・ア・スモール・ホテルよりジョニー・ハモンド・スミス 「エブタイド」
結婚式と言えば、付き物なのがオルガンの荘厳な音色。特に教会で行う式においては、厳かな式の雰囲気を醸し出すのに一役も二役もかっていますね。
ここでは、ジャズのハモンド演奏を聴いて、お二人の気分を盛り上げましょう。ご紹介するのは、その名もズバリ「ハモンド」というあだ名のついた、ジャズオルガン奏者ジョニー・ハモンド・スミスによる「エブタイド」です。
オープニングのトランペットの音が高らかに、人生最大とも言えるイベントの幕開けを知らせます。続いて、ジョニー・ハモンド・スミスのハモンドオルガンがスインギーにテーマを奏でます。
この曲「エブタイド」は、二人の愛を寄せてはかえす波に例える、スタンダードのラブソングです。普段はバラードで演奏される事が多いこの曲ですが、ジョニー・ハモンド・スミスはテンポよく演奏していきます。聴いていると自然に体が動いてくるほどのノリの良い演奏です。
この演奏が収録されているCD「ビー・ジャズ!ゼアズ・ア・スモール・ホテル」は踊れるジャズにフォーカスしたコンピレーションアルバム(複数のアーティストによる編集盤)。一曲目のこの「エブタイド」から最後までノリノリのダンサブルなナンバーが目白押しです。
テンポの良いスインギーなこのCDに合わせて、このよき日を、ダンスを踊るように乗り切るのも素敵なことかもしれませんね。
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最後に、おすすめするのはこの曲です!
Teach Me Tonight
ハンク・クロフォード 「ティコ・リコ」よりティーチ・ミー・トゥナイト
夜も更け、お二人にとって、夢のような一日が終わろうとしています。そしていよいよ待ちに待った二人きりの時間が始まります。一日を振り返り、お互いの愛を確かめ合うのに、ムードのあるBGMはかかせません。
ここはとっておきのバラードで、二人の愛を深めたいもの。有名アルトサックス奏者ハンク・クロフォードによる、「ティーチ・ミー・トゥナイト」を流しましょう。
瞳がうるんでキラキラと輝く花嫁の気持を、これほど表現している演奏もありません。初めてお二人が出会った時の新鮮な思い。そして今日のこの日を迎えて、これからの長い旅路を一緒に歩く連れ合いとしての覚悟と、ちょっぴりの不安。そして、何よりも最大の喜びの表情がこの演奏には溢れています。
ハンク・クロフォードのアルトサックスは、多くを語りません。最小限のフレーズの中に情熱や風情を匂わす大人のサックスです。熱のこもった愛の歌を歌うのにこれほど最適な人はいません。
ストリングスを従えて、「今夜、私に教えてね」と甘える新妻を迎え、ギター奏者エリック・ゲイルのギターソロも、美しい花嫁を手にした男の気概と喜びに溢れているようです。
後半のハンクによるテーマ部分には、ドラムのスネアとストリングスがさらに絡み、ムードはいやがおうにも高まります。
サックスとギターの恋のデュエットに浸っているとドラムの合図で曲は終章を迎えます。聴き終えるとまた最初から聴きたくなる演奏です。
ジューンブライドは、その言葉の魔力に、魅力を感じるお二人も多いはず。もちろん、六月だけではなく、何月に結婚されるとしてもお二人に幸あらん事を祈っています。また次回お会いしましょう!
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