事例:フランスの公園での出来事

フランスの公園で目にしたのは……

フランスの公園で目にしたのは……

この記事では、罰が子どもになぜ悪影響なのかをお伝えしていきます。まずはじめに、私が遭遇した事例をお読みください(フランス在住のため、フランスでの出来事です)。

家の近所を歩いていたときのこと。公園の近くにさしかかったところで、園内で子どもの泣き叫ぶ声が聞こえてきました。あまりに強烈な泣き声だったので、何事かと思って見ると、遊具のある公園の柵の外に、一台のベビーバギーが置かれていました。その上には、ちょっと窮屈そうに4歳くらいと思われる女の子が座らされていました。親は見たところいません。

少しすると、母親が戻ってきたのですが、何かひと言伝え、また公園の柵の中へ戻ってしまいました。女の子はバギーの上で泣きわめいているのですが、ベルトをされているので、自由には動けなかったのです。通りかかった人達も、首をかしげながら、「まったく、ひどいね」という表情あらわ。その女の子が何か悪いことを公園内でしたために、柵の外に連れていかれ、「そこで反省していなさい!」と罰を受けていたのです。

この女の子が何をしてこのような罰を受けていたのかは分かりません。しかし、どんないたずらにせよ、ここまでの罰則は必要でしょうか?

罰には表面的な効果しかない

私は、もともと犯罪心理学が専門なので、罰がもたらす様々な影響について、これまで多くの資料に触れてきました。結論から言えば、罰は有効な手段ではありません。

罰というものは、表面的な効果はあるものの、内面的な効果は期待できないからです。この表面的な効果とは、
  • 罰を受けた人が悪いことをするのをやめる
  • その場はなんとか収まる
といったもの。確かに、罰を受けた人は行動を阻止される(上の例で言えば、女の子は公園で遊べなくなる)ので、一見すると、事態は収拾したかのように見えます。でも、心の中では、「これはよくないことだから、もうやるのはやめよう」とは思っていません。罰には内面的な変化を起こす力がないのです。

また、罰は反抗心をあおることも分かっています。「今は仕方ない。でもいつかやり返してやる」と。そのため、のちにさらなる悪循環へと発展していく可能性が大。

こういう人間の心理は、子育てでも同じように働きます。「お仕置き」や「体罰」といったものは、その場ではその子の行動を止められても、心の底からの反省を促す力はありません。それどころか、親は子どもに思いもよらぬ裏メッセージさえ送ってしまっているのです。

>>次ページでは、しつけと罰の根本的な違いについてです。