子育て/子供のしつけ

子どもに罰は必要?(2ページ目)

子どもへの体罰や虐待が毎日のように新聞やニュースに取り沙汰されています。加害者達が陥る、しつけと罰の混同。犯罪心理学から見た、罰がもたらす影響についてご紹介します。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

しつけと罰の違い

今、子どもの虐待が後を絶ちません。「しつけのつもりでやった」と言う親の言い分に、毎度のことながら憤りを感じずにいられません。本来、しつけと罰とは、全く別のもの。
  • しつけとは、社会で必要とされる力をていねいに教えていくこと
  • 罰とは、力ずくで言うことを聞かせること
虐待をする親達は、しつけと罰、それぞれが持つ真の意味を混同してしまっているのです。

しつけと罰は正反対のことを子どもに伝えている

知らずに送っている裏メッセージに注意!

知らずに送っている裏メッセージに注意!

子どもは、親がやっていることをお手本にして学んでいきます。それが良い見本であっても、悪い見本であっても。

そして、その子は学んだ行動を他の子ども達に対して使うようになります。なぜなら、それが、その子が知っている問題解決法だからです。

つまり、何か問題が発生したときに:
  • 親が子どもをたたく、殴るなど、「力」で問題を解決していると、子どもも何か困ったときは「力」で解決すればいいと学んでいきます。
  • 逆に、親がいい見本を示して子どもに問題解決の方法を教えれば、子どもはそれをお手本としてまねしていくようになります。
子どもを叱るときに、親は、その場の問題を解決することに目が行きがちになります。いたずらをやめ、言うことを聞けばOK、と。

でも、実は本当に大事なのは、その場の解決以上に、それによって子どもが何を学んだか、ということ。親は自分の取った行動が、子どもにどんな裏メッセージを送ったかを気にかけていく必要があるのです。

遠回りでも、じっくりと時間をかけると子どもの心は動く

簡単に言うと、
  • しつけとは、親がいい見本を示すこと
  • 罰とは、親が悪い見本を示すこと
少し時間はかかっても、罰で言うことを聞かせるのではなく、いい見本を示し続けることで、子どものココロは動き始めます。表面的に問題が収まればOKなのではなく、心を動かすことこそ、真のしつけです。

それは、ちょっと遠回りに思える道のりかもしれません。でも、じっくりと我が子に向き合ってあげられるのは親だからこそ。時間はかかっても、のちに、必ずその子の心の成長となって返ってきます。
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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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