輸入車/注目の輸入車試乗レポート

“カタチが好き”だからミニ ペースマン(2ページ目)

ミニ クロスオーバーをベースに、スタイルコンシャスに仕立てられた2ドアクーぺが登場した。オシャレなパーソナルカー、選ぶ理由はズバリ“カタチが好きだから”。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

ゴーカートフィール滲み出る4WD、ふだん乗りにピッタリFF

ミニペースマン

1.6リッターエンジンは最高出力122ps/最大トルク160Nmを発生。1.6リッターツインスクロールターボは184ps/240Nmとなり、トルクを260Nmまでアップさせるオーバーブースト機能も付く


格好で乗るのにパワーは要らない。オシャレなパーソナルカーなのだから、気軽に乗れるONEが欲しい、と思うのはボクだけじゃないはず。クーパーからだなんて、ちょっとなあと思いつつ、いきなりクーパーSオール4に試乗した。

乗り味は、まったくもって、クロスオーバーと同じ風味だ。わずかに、こちらの方が、アシがしなやかに動いているだろうか。ひょっとして、気のせいかと思ったら、やはり少し変えてあるのだという。それもわずかにアタリを優しくする方向性だったらしい。クルマ全体の重心がほんの少し下がったことに対する対応だろう。ただし、走りのキャラクターが完全に違う、というほどの差ではなかった。

それでも、クーパーSの4WDともなれば、いわゆるミニらしいゴーカートライド色が滲み出る。上も下もがっちりと動く印象で、操作に対する反応が、けっこうダイレクトだ。嫌味な硬さでは決してない。“お、ハードな趣向だね”、と気分よく思える程度に硬い。昔ながらの欧州車乗りならば、別にどうってことのない硬さで、むしろコシのある乗り味だというだろう。

FFのクーパーにも乗ってみたが、全体の印象としてはこちらの方がしっくりときた。スポーティさを失わず、けれども乗り心地も上質。ふだん乗りにはピッタリだと思う。
ミニペースマン

クロスオーバーに続き、4WDモデル(ALL4)を用意。電磁式センター・ディファレンシャル・システムが前後に駆動力を無段階に配分する。リアアクスルには最大50%、凍結時などには100%まで伝達される


ミニペースマン

リアシートは分割可倒式とされ、ラゲージ容量は330~1080リッター

クロスオーバーの登場以来、ニッチをニッチで埋める“ミニ商法”に、正直、ちょっと食傷気味だった。こんなのミニじゃないや! と思っていた。けれども、乗ってみれば“いいクルマ”ばかり。さしずめ、このペースマンなどは、アメリカ人のための“でっかいミニ”だったんじゃないか、と想像していたわけだけれども、そんなひねくれた考えなどあざ笑うかのように、クルマの方がよくできている。

そろそろボクも白旗を挙げた方がいいのかもしれない。“ミニ”は昔ながらに“小さい”という意味ではもはやなく、ミニという立派なブランドネームなのだった。
ミニペースマン

ローダウン仕様のスポーツサスペンションを装着。エンジンとパワーステアリングの応答特性、ATのシフトチェンジの時間短縮を行うスポーツボタンがオプション(3万円)で用意されている

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます