入院や通院する確率は年々増加していく
厚生労働省の『患者調査の概況』では、世代ごとの入院と通院の受療率を調べています。そのうち40歳以上の受療率をグラフにしてみました。受療率とは、推計患者数を人口10万対で表した数であり、受療率(人口10万対)=推計患者数/推計人口×10万で求めています。
資料:厚生労働省『平成23年(2011)患者調査の概況』よりガイドが作成※平成23年の調査では宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏及び福島県を除いた数値となっています。
グラフは年齢階級別に入院や通院をする確率を表していますが、年齢が上がるにつれて入院も通院も受療率が大きく上昇しているのがよくわかります。例えば70~74歳を50~54歳と比べてみると、入院する確率は約3.2倍、通院する確率は約2.5倍も高まります。いつ病気やケガをするかはわかりませんが、現実的に年齢によって受療率が大きく異なることを理解しておくことは重要です。
退職後の健康保険
退職すると職場で加入していた健康保険から国民健康保険へ切り替える必要があります。任意継続といって、退職後も2年間今まで加入していた健康保険に加入継続できる方法もありますが、この場合は、今まで労使折半で負担してきた保険料を全額負担しなければなりません。どの健康保険に加入するかは一定期間内であれば選択できるので、保険料を試算した上で判断するとよいです。ただ、一度国民健康保険に変えてから任意継続にすることはできない(任意継続から国民健康保険は可能)ので、迷ったり試算する時間がなかったりした場合は、とりあえず任意継続にしておいてもよいかも知れません。
退職後も健康保険の自己負担割合は3割ですが、70歳以上になると、1割で済むようになります(一定の所得以上の場合は3割負担)。ただ、将来にわたって負担割合が変わらないとは限らないので、健康保険に過度な期待はしない方が無難です。
>>次のページでは、退職前に医療保険を見直す際の注意点を解説します。