ふたりで学ぶマネー術/ふたりで学ぶマネー術

これから投資を始めたい人への最初のアドバイス

昨年の総選挙以降のアベノミクスのアナウンス効果によって、円安・株価上昇など、投資環境が改善され、投資市場が急激に活況を呈してきました。今まで投資を行ってこなかった人も、「そろそろ投資を始めてみようか……」という気持ちが次第にわいてくるようです。そこで、今回は、これから投資を始めたい人に向けて、最初のアドバイスをします。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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投資環境が改善!? これから投資をしたいと考える人が増えている?

投資環境が改善!? これから投資をしたいと考える人が増えている?

投資を始める人向けの最初のアドバイス

昨年の総選挙以降のアベノミクスのアナウンス効果によって、円安・株価上昇など、投資環境が改善され、投資市場が急激に活況を呈してきました。今まで投資を行ってこなかった人も、「そろそろ投資を始めてみようか……」という気持ちが次第にわいてくるようです。そこで、今回は、これから投資を始めたい人に向けて、最初のアドバイスをします。

「投資=株式投資」ではない、投資の手段を知る

私は、ファイナンシャルプランナーという仕事をしている関係で、友人との茶飲み話の中で「今、投資をするとした場合、何がいいの?」といった質問をよく頂きます。ところが、同じような質問なのですが、投資未経験の人に限って言えば、「今、投資をするとしたらどの株がいいの?」という質問になります。つまり、「投資=日本株(個別の会社)への投資」と考えているのです。

けれども、実際に、証券会社や銀行に行ってみると分かるとおり、個別の会社の株式だけではなく、投資信託や外貨預金などのさまざまな金融商品で溢れています。「個別の会社への株式投資が、投資初心者の人にとって最適か?」という問題があります。まずは、投資の手段がたくさんある、ということを知ることが、投資を始める大前提になります。

「資産運用=投資」ではない、投資の前に資産運用を考える

ところで、「投資」に似た言葉で、「資産運用」という言葉がよく使われます。多くの方は「資産運用=投資」と誤解しています。そして、「資産運用は難しそうで、自分には縁のない話だ」と思いがちです。けれども、私たち生活者にとっての資産運用は、人生の目的・目標を達成するために、適切な金融商品を選び、計画的にお金を貯めたり、増やしたりしていくことです。そう考えると、今まで、なじみのある銀行預金も、立派な資産運用の手段ということになります。
資産運用の考え方undefined(C)FPオフィス Life & Financial Clinic

資産運用の考え方 (C)FPオフィス Life & Financial Clinic


資産運用には、「貯蓄」と「投資」の2つの方法があります。貯蓄は、「貯めて蓄える」と書くとおり、できるだけ「安全に」、「確実に」、そして、「必要なときにすぐにお金を引き出せるような状態で」、将来のためにお金を蓄えることをいいます。一方、投資は、「資金を投じる」と書くとおり、今あるお金を使って、その結果生じる利益を期待することをいいます。ただし、投資の利益は期待するものであって、確実なものではないので注意が必要です。まずは、資産運用の手段として、「貯蓄」と「投資」があることを抑えておきましょう。

貯蓄にまわす「お金」と、投資にまわす「お金」

次に、どんな「お金」を貯蓄にまわしたらよいのか、投資にまわしたらよいのかを考えてみます。貯蓄にまわす「お金」は、緊急の出費に備える「お金」や近い将来使う予定のある「お金」が適しています。例えば、5年後に子どもの大学進学費用がかかることが予想されている場合は、5年後の出費に備えて、毎年、コツコツと貯蓄していく必要があります。

投資は、利益を期待して「お金」を増やす資産運用の方法です。投資を行うと、大きく利益が得られる可能性もありますが、反対に大きく損をしてしまう可能性もあります。従って、緊急の出費に備える「お金」や近い将来使う予定のある「お金」は適していません。余裕資金や10年後、20年後といった、少し遠い将来に使う「お金」を運用する手段として適しています。
貯蓄にまわすお金と、投資にまわすお金undefined(C)FPオフィス Life & Financial Clinic

貯蓄にまわすお金と、投資にまわすお金 (C)FPオフィス Life & Financial Clinic


ガイド平野家では、通常の金融資産とは別枠で、結婚時に、将来、世界一周旅行をすることを目標に「ドリームファンド」と名づけて、投資信託で運用しています(参考記事:夏のボーナス!2人のドリームファンド)。将来に使う、レジャー資金として、投資にまわしているのです。

ライフプランと資産運用の目的・目標を整理する

■貯蓄にまわすお金と、投資にまわすお金、どう考える?
貯蓄にまわす「お金」と、投資にまわす「お金」、頭では理解できるのだけれど、「結局、自分の場合、貯蓄と投資をどうした良いのでしょうか?」という質問を多くいただきます。

資産運用は、人生の目的・目標を達成するために、適切な金融商品を選び、計画的にお金を貯めたり、増やしたりしていくことと、先ほどお伝えしました。つまり、資産運用を行う前に、最初にするべきことは、人生の目的・目標といった、ライフプランとマネープランをしっかり立てることです。

「将来のお金のことが不安だから、資産運用をしよう」とおっしゃる方がいます。けれども、資産運用をすれば、不安は解消されるものでしょうか? 不安を解消するためには、不安の原因を探り、問題を解決していかなければなりません。ライフプランとマネープランをつくることによって、早い段階から将来の家計の問題を把握し、解決方法を見つけることができます。

また、不安を解消するだけではなく、夢や希望を実現するために必要な資産運用の目標を具体的に設定することができます。豊かで幸せな人生は、家族で協力して実現するものです。そのための第一歩は、ライフプランとマネープランをつくり、資産運用の目標をつくることです。

資産運用の目的と目標をしっかりと持った上で、さまざまな金融商品について、学んでみましょう。そして、その金融商品が、資産運用の目的と目標に合ったものであるかが、その金融商品を選択する基準となります。

そして、資産運用の目的と目標を決める前提となるライプフランとマネープラン、そして、金融商品の選択は、ひとりで考えるのではなく、パートナーとふたりで考えることが大切であることは、言うまでもありません。

■よき資産運用のアドバイザーは?
なかなか投資への第一歩を踏み出せないという方には、資産運用のアドバイザーの活用をオススメします。資産運用の相談をする場合は、金融資産の現状と将来のライフプランを事前に整理した上で相談してみましょう。資産運用のアドバイザーが、近い将来使う予定のあるお金など貯蓄にまわす「お金」と、遠い将来のために増やしたいお金など投資にまわす「お金」について、希望を聞き、整理しながら、目的に合った、最適な資産運用を提案する人かどうかを見極めることがポイントです。

つまり、単に金融商品を売り込むために商品の紹介する、というスタンスの人ではなく、相談者の人生の目的・目標を実現するための手段として、投資のアドバイスを行うというスタンスの人をオススメします。

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