情報の真偽を確かめましょう

Q: 「心」の字を使いたいのですが、「心香」だけでも、もとか・しんか・このか・ほのかと色々な読み方が本に書いてありました。これらはすべて受理されるものでしょうか? もともとの読みから離れている場合は当て字になり、受理してもらえるのか心配です。

A: 情報の真偽を確かめるのはとても立派なことです。ご心配の通り、「心香」はコノカ、ホノカとは読めません。名前の読み方については「本にのっていました」「サイトにありました」などと言われる方は多いのですが、たとえ名づけの本やサイトにのっていたとしても、名前の専門家の書いたものでないかぎり、どうしても間違った読み方の名前が混じっていたりはしますから、一つ一つご自分で辞典で確かめることをおすすめします。

使い方のむつかしい字

心の字は「シン・こころ」の他に、名乗りとして「うち・うら・きよ・ご・さね・し・なか・み・むね・もと」などの読み方がありますから、このうちのいずれかの読み方にすれば、名前では正しい読み方ではあります。しかし「心」の字の名乗りの読み方というのはほとんど人に知られていませんから、たとえ正しくても他人に読めない不便な名前にはなります。ちなみに「心」という1字名前にした場合は、シンと読めば男の子、ココロと読めば女の子の名前になりますから、これも混乱は避けられません。そうなると心の字は、誰もが知っているシンという読み方を使って、シンヤ、シンゴ、シンスケ、シンペイなどとするのが無難だということになり、作れるのは男の子の名前ばかりになってしまうのです。強いて女の子の名前を作るには、ミという読み方を使えば名前は作れますが、ミという読み方を知らない人には読めない名前にはなります。このように名づけを真面目にやろうとすれば、使い方のむつかしい字というのも出てきてしまうのです。

役所の戸籍事務に対する誤解

よく芸能人などが子の名前を先にテレビで発表し、「こうつけました。これから役所に届けます」などと言ったりしますが、実はこれは「名前は親がつけた時に決まる」という誤解によるものなのです。名前は役所が受理し、戸籍に記載されて初めてこの世に生ずるので、親が決めたことに役所が従うべきだ、と考えては間違いです。もし何らかの理由で役所がその名前を受理しないとなれば、その名前はこの世に存在できないのです。

では間違った読み方の名前を出生届に書いたらどうなるのでしょうか。これは実は役所によって対応が違うのです。なぜなら、間違った読み方の名前を禁止する法律の条文は無く、したがって役所は名前の読み方を審査する義務も生じないので、審査するかしないかは役所の自由だからです。ですから、ある役所で出生届を受理されなかったのが、別の役所では受理される、という妙なことも起きるのです。役所によって違うのは本当はおかしなことなのですが、それが現実です。しかも世間一般では、名前の読み方に口を出さない役所の方が親切だと思われることも多く、役所もわざわざ余計な仕事をしたくありませんから、読み方の審査をしない役所も多くなっています。

よく「名前のふりがなは自由だ」などと鬼の首を取ったように言う人もいますが、誤解してはならないのは、名前の読み方までわざわざ法律で決めていないのは、あくまで親の良識にまかされているということです。法律があるかどうか、役所が受理するかどうかは、名づけの基準にはなりません。間違った読み方の名前をつけても役所は困るわけではありませんから、どんなでたらめな読み方のひどい名前でも笑いをこらえて受理することはありますが、それは本人を苦労させ、社会の人に迷惑をかけ、親が利口に見られない下手な名づけなのだ、ということを心配するべきでしょう。
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