「教育資金」はひとまとめで考える
教育費は賢くつくる!
学資保険やこども保険を利用する場合は、子どもごとにそれぞれ加入しますが、基本的には「教育資金」としてひとまとめにして考えましょう。子どもごとにそれぞれいくらと分けても、お金に色はついていないので、あまり意味はありません。
例えば年子で出産をし、第2子誕生を機に「今後18年間で教育資金を1000万円貯める」と計画を立てたケースを考えてみましょう。
1000万円を18年間で貯めるには、年間約56万円を貯蓄していくことになります。教育費の上昇やインフレ等も考慮し、切りのよいところで60万円とすると、月に5万円の貯蓄が必要です。その方法は以下の3 つです。
- 学資保険やこども保険を利用する
- 個人向け国債や利率の多少高めのネット銀行の定期預金を利用する
- 一部を投資信託で運用する
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
月に5万円の教育資金を貯める方法
1:学資保険やこども保険を利用する
まず、学資保険やこども保険は途中で解約すると元本を下回ることがありますので、保険ばかりに頼らないようにしましょう。例えば1000万円のうち、子どもそれぞれに受取総額300万円の学資保険に加入するとします。契約者である親の年齢は30歳、第1子は1歳、第2子は0歳として、18歳満期で、執筆時、一番返戻率の高いニッセイ学資保険で保険料を試算してみると、保険料は2人合わせて月2万5190円になります。
月の貯蓄予定額5万円の残りの2万4810円(年間で29万7720円)を貯蓄していくことになりますが、年間30万円ずつ1%で18年間運用していけば、約588万円になります。学資保険と合わせると、約1188万円を準備することができます。
2:個人向け国債や
利率の多少高めのネット銀行の定期預金を利用する
ネット銀行の1年定期預金で年1%を超すものもありますし、地方銀行や信用金庫では、18歳未満の子どもを持つ子育て世帯に預金に金利の上乗せをするところもありますので、なるべく利回りの高い商品を選ぶことです。住宅ローンを借りていれば預金金利が優遇されることもありますので、ご自身が借入れをしている銀行に問い合わせてみてください。3:一部を投資信託で運用する
また、18年という時間がありますので、一部を投資信託で運用するという選択肢もあるでしょう。月々少額を積立て投資していくスタイルをおススメします。どんな商品を選べばよいのかが悩ましいところですが、多少の相談料はかかりますが、信頼できるファイナンシャルプランナーにご相談されるとよいと思います。しかし、大学入学時に、かつてのリーマンショックのような事態になると大変ですので、あくまで一部にしてください。
ただ、「教育資金はひとまとめで考える」としていれば、2人の子どもが大学在学中のもっとも教育費のかかる4-5年間は、学資保険と預貯金で貯まった資金を取り崩しながら、タイミングを見ながら投資信託を少しずつ解約していけばいいわけです(「子どもの教育費 のピークの時期っていつ?」を参考にしてください)。あるいは子どもの年齢が上がり、大学入学など必要な時期が近くなってくるにしたがって、少しずつ貯蓄性商品に移していくとよいでしょう。
重要なのは資産配分
教育資金を貯める上で考慮したいのは資産配分です。保険、定期預金、財形(勤務先が制度導入している場合)といった貯蓄性資産、投資信託などの投資性商品の3つに分散して、教育費を作っていきましょう。理想は保険と貯蓄性商品を7~8割程度に。投資性商品はアベノミクスのインフレターゲットをひとまず考慮し、税引前2.5~3%程度の利回りを目指せるとよいと思います。
また、無事に子どもの扶養義務を終え、教育費のつもりで貯めて来たお金が結果的に余ったという方は、そのまま老後資金に向けて積立てを続けてください。必要になるのはまだ20年、30年先ということであれば、ぜひ資産配分を見直して、投資性商品に向けるのも方法です。
お金に色はありません。家計のライフプランを長期的に考え、計画的に準備をしていくことです。そし て、教育費は子どもの進路の変化などにも柔軟に対応できるよう準備していきましょう。
※投資信託への投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
【参考記事】
・ こども保険・学資保険の受取率ってどのくらい?
・ 教育資金の目標額はどう決める?
・ 子どもの教育費 のピークの時期っていつ?