基本データ
- 名称:(Crottin de) Chavignol / (クロタン・ド・)シャヴィニョル
- タイプ:シェーブル
- 原産地:フランス、 ロワール地方(シェール県、ロワレ県、ニェーブル県にまたがるサンセロワ、シャンパーニュ・ペリション地方の一部及び、ペイフォール地区)
- 原料乳:山羊乳(無殺菌乳)
- 熟成期間:最低10日間
- 固形分中脂肪分:最低45%
- 出荷時の大きさ・形:直径6cm、高さ3~5cm、重さ約60gの太鼓型
- 旬::春~夏
- AOC(原産地呼称統制)取得年:1976年
名前の由来
諸説ありますが、“Crottin”とは、もともとこの地方で使われていた陶器製の小さなオイルランプ、“Crot”から変化した言葉と言われています。昔はこのCrotをクロタンを作る時の型として使った事からこの名前が付いたという説が有力です。なお、以前は“クロタン・ド・シャヴィニョル(Crottin de Chavignol)”と呼ばれていましたが、EUの管理するPDOへの登録に伴い、単に“シャヴィニョル(Chavignol)”と呼んでも良い事になりました。製法
山羊の全乳(無殺菌)を温めてレンネット(凝乳酵素)を加えてゆっくり固める。固まったら布で濾し、固形分(カード)を型に入れて12~24時間置く。型から出して塩を振り、その後、水分を抜きながら最低10日間熟成させて出荷されます。味わい・質感
味わい : 若いころは、軽い酸味のあるほっくりこっくりした味。熟成が進むにしたがって酸味は消え、代わりにナッツのようなコクと、シャンピニオン(きのこ)の様な香りが増す。また、ピリッとした辛みが微かに出る事もある。表皮・内層の質感 : 若いころは、アイボリー色の表皮でしわが寄っている。内層は真っ白できめ細かく、なめらか。熟成が進むと、水分が抜けるにつれて小さくなり、表皮には白、ブルー、グレーのカビが付く。内層はさらに固く引き締まりアイボリーがかってくる。
食べ方
- そのまま放射状にカットしてワインと共に。また、ドライフルーツやジャムを合わせても美味。
- 若めのクロタンを横半分にカットしてオーブンで焼き、アツアツをサラダにのせていただく、クロタンローストのサラダが有名です。
- 温めたりグリルしても美味。
- 削ってサラダにかけたり、いちじくや生ハム等と合わせて前菜にするのもおすすめ。
- クロタンココットに入れて焼き、パンにのせて食べるのもおすすめです。
ワインとのマリアージュ
サンセール(Sancerre)、プイィ・フュメ(Pouilly-Fume)、カンシー(Quincy)、ルイィー(Reuilly)等、ソーヴィニヨン・ブラン種主体のもの。熟成の進んだものには、ピノ・ノワール主体の軽めの赤もおすすめです。
熟成
シャヴィニョルは、熟成による変化を楽しめる代表的なチーズ。出荷後すぐから4か月ほど熟成させたものまで、同じチーズでも味わいや風味、見た目が変わるのも魅力的です。日本で入手しやすいのは、熟成12日のドゥミ・セックや5週間前後のブルー・ムワルーと呼ばれるもの。他にも乾燥させたセック、さらに乾燥・熟成させたトレ・セック、壷に入れて熟成させたルパセなどマニアックなものもあります。もし入手できる機会がありましたら、ぜひお試しを!
クロタンを楽しむための専用道具
クロタンナイフ : 熟成が進んで固く締まったクロタンをカットするためのナイフ。もろもろと崩れやすくなったチーズもキレイにカットできます。クロタンココット : クロタンを中に入れて焼くための専用道具。 焼いてふわっと柔らかくなったアツアツクロタンをパンに塗ったりサラダに乗せたりしていただきます。小さな形もかわいく、色もカラフル。クロタン以外のチーズを焼いたり、1人用のグラタンやアヒージョを作るのにも良さそうです。
山羊乳の旨味やコクを楽しむのにぴったりなシャヴィニョル。ポーションが小さいので、購入しやすく食べ切りやすいのも魅力です。クセが強くないので、初めてシェーヴルを試したい方はもちろん、チーズ通の方にも喜ばれるチーズです。