保健師への道
保健師になるための学校は、保健師の試験、受験資格でも説明しているように、(1)看護師専門学校や短大(3年)を卒業後、保健師学校(1年)か短大の専攻科(1年)で学ぶ
(2)看護師専門学校や短大(3年)を卒業後、看護系大学に編入(2~3年)する
(3)看護系大学(4年)で学び、卒業年に看護師と保健師免許を同時取得する
(4)衛生看護科のある高校で准看護師を取得し、看護学校で正看護師、さらに保健師学校に進む
の4通りと考えていいでしょう。
つまり、保健師になるためには、大学のような一貫教育。あるいは、看護学校を卒業後、保健師学校、短大専攻科のような専門教育機関で学ぶ2通りがあるわけで、どちらのコースを選ぶのか? 大学の保健師教育選択制導入の影響はどうなのか? 詳しく説明しましょう。
必ず保健師国家試験受験資格が得られるか?
以前なら、どちらの学校も受験資格を得ることができました。しかし現在は保健師教育の見直しが行われ、ほとんどの大学で保健師は助産師と同様に、専門教育を受けられる人数に制限を設ける体制に変わっています。つまり、大学看護学部に入っても、希望者が多く選抜に漏れれば、卒業時に保健師国家試験を受けられない可能性が出てきたわけです。ちなみに選抜の方法は3年進級時に、それまでの成績を元にするケースが多いようです。なかには4年進級時にも再選抜を行う学校もあります。
定員も学部学生数の20~30%程度に絞っており、助産師と同様の狭き門になっていることも覚えておきましょう。
保健師学校や専攻科は保健師教育そのものを目的としているので、今までと同じように、卒業できれば受験資格は得ることができます。ただし、学校そのもの数が減っている傾向にあります。
専門教育の期間と充実度
●大学まず看護師免許を取得が優先されるため、1、2年生のうちは看護教育が中心です。保健師になるための教育、とくに重要な実習が始まるのは3年生以降。今までは保健所や市町村での「見学」が多く、現場のイメージがつかみづらいとの声が卒業生から多く出ていました。
今は選択制が導入され、資格取得に必要な単位が増えています。勉強の負担は増えるかもしれませんが、以前と違い、保健師になりたい人だけが受ける授業なので、充実度は向上したといえるでしょう。
座学もギッチリ詰まっている
●保健師学校や専攻科
期間が1年間と短いものの、すべての時間が保健師になるための教育に費やすので、授業内容が大学に比べ濃厚といわれています。とくに実習が充実しており、近隣の市町村と協力し、長い期間をかけて健康教育や地域実習に取り組む学校もあるほどです。全員が入学時から同じ目標に向かっていることも大きな特徴です。