5周年を迎えたMDノート

1960年代にデザインフィル(当時ミドリ)が独自に開発した「MD」(ミドリダイアリー)用紙。どんな筆記具でも快適に書け、特に万年筆で書いてもインクの裏抜けしにくい高品質の紙。当時から同社のダイアリーや日記、そして「ダイヤメモ」などに使われてきている。そのMD用紙に再注目して作られたのが「MDノート」。高級ノートブームの流れを作った一冊でもある。

この「MDノート」を使っていて私がいつも感じるのは、書くことだけに集中させてくれるということ。表紙に無駄な装飾もなく、もはや書いていることすら感じさせないくらい自然な書き心地がある。

そう感じさせてくれるのは、もちろん紙質の良さというのもあるが、それをかげで支えている「糸がかり製本」の存在も大きい。どのページでもパタンと気持ちよく開きフラットになる。

その「MDノート」も登場からはや5年が経つ。それを記念して限定発売されているのが「MDノート コットン」。「MDノートのコットン版? コットンを混ぜたら、それはもはやMDノートではなくなってしまうのでは?」と当初私は感じていた。しかし、実際に書いてみると、うん、これはたしかに「MDノート」ファミリーだと感じられるものになっていた。

MDノートundefinedコットン

「MDノート」発売5周年を記念して発売されている「MDノート コットン」



書き応えが味わえる


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「MDノート」らしさ溢れるシンプルなデザイン


表紙はこれまでの「MDノート」と大きな違いは見当たらない。細部を見ていくと表紙に静かに刻印されているところが「MD COTTON」となっていた。

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表紙の空押しには「MD COTTON」となっている


表紙を広げ、中の紙をまず指先で味わってみる。これが思っていたよりもサラサラしている。コットンペーパーというとフサフサとしていて、紙の繊維が指先からもしっかりと感じられるものという印象が個人的にあった。それに比べて、これはかなり滑らかな方だ。

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「MDノート コットン」もページの見開きの良さは抜群

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   紙の表面には、コットンを配合したことがわかる細かな繊維が見える


ただ一方で「MDノート」の滑らかさとは少々違う存在感みたいなものがある。そのわずかな紙の存在感はペンで書いた時もしっかりと感じられた。特に太めの万年筆あたりで書いてみると、細かな紙の繊維がペン先からたしかに伝わってくる。もちろんインクのにじみや裏ヌケなどはないのは「MD」とうたっているだけはある。

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万年筆で筆記してみたが、書き応えはややあるものの快適


色々なペンで書いてみて、私が最も心地よいと感じのは、鉛筆・シャープペンといった、いわゆる黒鉛系の筆記具。これらで書くと紙の繊維というものが書き味に加え、筆跡にもとても現れる。黒い筆跡の中に細かな繊維の凸凹が見て取れる。これは「MDノート」と比べると一目瞭然。

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「MDノート コットン」に鉛筆で書くと、紙の繊維が現れだす

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筆跡の中の繊維の現れ方が全然違う


今回の「MDノート コットン」の紙は、あくまで「MD用紙」を作る製造工程をベースにして、そこにコットンを20%配合し、コットンの生成りをイメージして、少しだけ色を加えているという。「MDノート」らしさはしっかり保たれコットンの優しさもほどよくミックスした紙なのである。

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「MDノート コットン」文庫735円。新書840円。A 5 945円、A 4変形判1,785円



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