なんちゃって料理で幅が広がる
ヤスナリオさん:たまの外食で考えるのは、「これ、家でもっと安く作れないかなぁ」ということ。『深夜特急めし109』にある「しそとさんま缶丼」というのは、「うな丼の味って、結局山椒とタレの味だろう!?」って思ったところからできたレシピ。再現できないこともありますが、「この料理の一番メインとなる食材や調味料はなんだろう」って考えながら食べるとおもしろいし、いろいろやってみることで料理の幅が広がります。
実は、『深夜特急めし109』では、普通のレシピ本には必ずと言っていいほど出てくる酒とみりんを使っていないんです。そんなにいろんな調味料を常備していなくても、料理はちゃんと作れます。一人分の夕ご飯なら、とりあえずお腹がいっぱいになれば、それでいいじゃない。そんなふうに気軽に料理を捉えて、まずは一品作ってもらえるといいなぁ、と思っています。
料理のアイディアはダジャレから!?
ヤスナリオさん:我が家では月一回「キッチンハコ」という名前で飲み会を開いています。先月のメニューがこちら(写真参照およびブログ記事)。この「ヤス氏の誘惑2013冬」というのは「ヤンソンさんの誘惑」というスウェーデンのじゃがいもグラタンをもじったもの。こういうネーミングから入る料理も楽しいですよ。
『深夜特急めし109』に掲載している「レッチリ豚丼(ブログ記事)」という料理も、ネーミングのダジャレからきたもの。レッドホットチリペッパーズというバンド名から、「レッドでホットなチリソースだ。じゃあ、食材は豚肉が合うかな」とかノリで考えるのが楽しい。
最近はアニメに出てくる料理を再現した「アニめし」なんていうのも流行っていますよね。僕も、ルパン三世「カリオストロの城」に出てくるミートボールスパゲッティを作ったこともあります(ブログ記事)。そんなふうに自分の興味のあることを料理につなげていくのも、料理を楽しく始めるきっかけになると思います。
男子はウケるキッチンツールから入る
ヤスナリオさん:一人暮らしにおすすめのキッチンツールは、小さい土鍋。土鍋があると、炊飯器もいらないし、インスタントラーメンもこのまま食えちゃうし、鍋もできるし、煮物もできちゃいます。やっぱり洗い物は減らしたいので、そのまま食べることを前提に鍋を選ぶのも案外いいのかもと思います。
あと、男子は道具から入るのもアリ。例えば、このエンピツ削り型のピーラー(写真・左から三つ目)。普通にピーラーとしても使えるんですが、エンピツを削るはずの穴の部分はにんじんを差し込んで削るためにあるんだって。でも、正直にんじん尖らせて使うことはないんで、あんまり意味はないですよねー(笑)。
ただ、こういうおもしろキッチングッズは集めたら楽しいし、人を呼んだときにもウケる。くだらなくて不便なものも多いんですが、自分が好きで楽しい道具の方が男子はやる気になるんじゃないかな。
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