「生計維持関係」とは?
夫婦別居の必要書類とは?
この生計維持関係についてもう少し深くお話し、生計維持関係の認定になぜ「世帯全員の住民票」と「請求者(又は配偶者)の所得証明書」が必要なのか説明しましょう。
厚生労働省より「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」という通知が出ています。この通知を簡単に説明すると、以下の2点を満たしていれば生計維持関係にあると認定されます。
- 生計同一であること
- 配偶者(又は請求者)の収入が850万円未満であること
したがって、一般的には夫婦は同居で住民票も同じなので、「世帯全員の住民票」を提出すれば夫婦とも住民票上に記載がありますので「1.生計同一であること」の証明書類となり、「請求者(又は配偶者)の所得証明書」を提出すれば「2.配偶者(又は請求者)の収入が850万円未満であること」の証明書類となるのです。
これで夫婦は生計維持関係にあるという認定がされるのです。このように、年金手続き時に必要な書類には、きちんと意味があるのです。
では、夫婦で住民票が異なっている場合はどうするのでしょうか? 例えば夫婦のどちらかが単身赴任の場合に該当するケースです。この場合はどういった書類が必要なのか、確認してみましょう。
「夫婦で住民票が異なっている場合」の必要書類
夫婦で住民票が異なっている場合、世帯全員の住民票を提出しても請求者の記載はありますが、配偶者の記載はありませんので生計同一であるという証明が得られず、上記「1.生計同一であること」の条件は満たせません。よって、この場合は「世帯全員の住民票」に代えて、「請求者及び配偶者それぞれの住民票」と「生計同一の申立書」という書類が必要となります。
これらの書類が必要な理由は、「請求者及び配偶者それぞれの住民票」でそれぞれの住所地の事実確認、「生計同一の申立書」で別居しているが生計は同一ですよ、という申立てをして、夫婦は生計同一であることという認定をしてもらうのです。
「請求者及び配偶者それぞれの住民票」はそれぞれの住所地の役所で取得し、「生計同一の申立書」は年金事務所にありますので、請求前に取りに行きます(様式は各年金事務所で異なりますので、請求する年金事務所に取りに行き、その際書き方を説明してもらいましょう)。
さて、今回は単身赴任等で夫婦の住民票が異なる場合の老齢年金請求時の必要書類についてご紹介しました。住民票等を取得するにもお金が掛かりますし、年金手続きで何度も足を運ばないよう、夫婦の住民票が異なる方は参考にしていただけたらと思います。
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