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ROEとは? 株初心者が5分でわかる決算書入門(3ページ目)

ROEとは、株式投資に対するリターンの良し悪しを判断するための指標です。ROEが高い企業は、(A)利益率が高い、(B)総資本回転率が高い、(C)負債を多く活用している、という特徴があります。東証の平均値は5%弱ですが、投資するなら最低10%を目安にするとよいでしょう。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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ポイントは、1.利益率の高さ、2.売上高の多さ、3.負債の活用!

それでは、どんな企業のROEが高くなるのでしょうか? 
ポイントは3つあります。

数学のように、ROEの式を少し工夫してみましょう。

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 
= (当期純利益÷売上高)(A) × (売上高÷総資産)(B) × (総資産÷自己資本)(C)
ROEが高い企業の特徴

【図 ROEが高い企業の特徴】


(A) 利益率が高く、少ない売上高でも多額の利益を得る企業。

企業が100の売上高に対してどれだけの当期純利益を得ているか?を「売上高当期純利益率」といいます。一定の売上に対してたくさん利益を得ることができれば、それだけROEは高くなります。

MonotaROであれば、
売上高当期純利益率 = 当期純利益16億円 ÷ 売上高287億円 = 5.5%
になります。東証平均が1.8%ほどですから、一定の売上に対してたくさんの利益を得ていることが分かります。

(B) 少ない資産で多額の売上を上げる企業

企業が100の総資産でどれだけの売上を上げているか?を「総資本回転率」といいます。少ない資産でたくさん売上を計上できれば、それだけROEは高くなります。

MonotaROであれば、
総資本回転率 = 売上高287億円 ÷ 総資産112億円 = 2.6
になります。東証平均が0.9ほどですから、少ない総資産で効率的に売上を計上していることが分かります。

(C) 自己資本に対して総資産の割合が大きい企業。つまり負債のたくさんある企業

負債をたくさん活用して、たくさんの総資産を利用していれば、ROEは高くなるはずです。

MonotaROであれば、
総資産112億円 ÷ 自己資本55億円 = 2.0倍
になります。東証平均が2.7倍ほどですから、あまり負債を活用していないということが分かります。

MonotaROのように、(A)利益率が高く、(B)少ない資産で多くの売上を得ていながら、(C)負債の活用はそれほど多くない企業は、なかなかありません。

MonotaROは、既に株価が割高な水準にあると思いますが、このような優良企業は他にもまだあるはず。探し出して、投資のチャンスをつかみましょう!

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