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映画『ヒッチコック』が描く、傑作『サイコ』の裏側(4ページ目)

2013年4月5日公開の映画『ヒッチコック』は、サスペンスの帝王と言われたアルフレッド・ヒッチコックの創作の裏側を描いた物語です。ふっくらした体型とトボけたような表情が印象深いヒッチコックは天才監督でしたが、同時に変わり者でもありました。そんなヒッチコックの素顔とヒッチコック・サスペンスの秘密に加え、ヒッチコックとアルマ夫人の夫婦愛も。クリエイター同士の夫婦愛は興味深いですよ。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド


ヒッチコック監督、最大のヒット作『サイコ』

では、映画『ヒッチコック』で創作の裏話が描かれていたアルフレッド・ヒッチコック監督作『サイコ』をご紹介しましょう。

『サイコ』(1960年度作品)

 
マリオン(ジャネット・リー)は、会社の金を横領してしまい、逃亡のために車を走らせていました。途中、土砂降りの雨になり、彼女はモーテルに宿泊することに。経営者のノーマン(アンソニー・パーキンス)は母と二人暮らしだと語ります。

翌日、ノーマンはマリオンが浴室で死んでいるのを発見。母親の仕業だと思った彼は、死体を庭に埋めます。一方、会社では大金の横領が発覚。お金を預かっていたマリオンを追って私立探偵が動き出し、彼はマリオンの足跡を追って、ノーマンの経営するモーテルにたどり着きます。しかし、その後、探偵は消息不明になってしまい……。

今見ても決して色あせないサスペンスホラーの傑作です。恐怖の描写が秀逸で、観客の不安を常に煽り立てていきます。有名なシャワーシーンの神経を逆なでする効果音も強烈!

ヒロインが前半で死ぬという意外性や謎の正体を最後に明かしつつも、恐怖が延々と続いていくようなラストまで完璧で、ヒッチコック最大のヒット作となりました。この映画の誕生で”サイコ“と言う言葉が世間に広まるようになったと言われています。
(1998年にガス・ヴァン・サント監督がリメイクしましたが、オリジナルには遠く及ばず~)

監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:アンソニー・パーキンス、ジャネット・リー、ジョン・ギャヴィン、ヴェラ・マイルズ、マーティン・バルサム、サイモン・オークランドほか

まずは映画『ヒッチコック』を鑑賞し、そのあとに『サイコ』を始めとするヒッチコック監督作を見ていくと、より楽しめるかもしれません。というわけで、次回はヒッチコック映画特集をお送りします。お楽しみに!

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