FCP=家族継続計画の3つの視点
2人でFCP=家族継続計画をつくろう!
●生命に関すること
例えば、家庭内で地震に遭遇した場合、身の安全を脅かすものとして、家具や家電の落下や転倒によるものだそうです。事前対策としては、家具には転倒防止の金具や突っ張り棒などで固定するなどの対策があります。そして、実際に地震が起こった場合は、「身の安全を確保する」ことが最優先です。
年齢がバレてしまうかもしれませんが、小学校時代に、「地震だ、火を消せ!」という標語があったのを記憶しています。これは、地震による被害が、地震そのものよりも、その後の火事による類焼被害の方が大きいことから、火を消すことを推奨していたのだと思います。けれども、火を消しに行って、家具等の転倒によって生命や身体を危険にさらすことになるかもしれません。そこで、今では、「地震だ、まずは身の安全確保」と言われるようになっています。東京消防庁の防災標語でも、「火を消せ」は、平成11年まで使われていましたが、それ以降は使われていないようです。
また、自宅で火事が発生した場合、発生した場所によって、どの避難経路を取るかなど、事前に想定しておくと良いでしょう。また、家族の安否を気遣って、危険な場所を家族を探してさまようのではなく、事前に、災害伝言ダイヤルの利用方法を確認しておき、その時、冷静に対応できるようにしておくことをお勧めします。
●被害を最小にすること
対策としては、生命に関することに類似しますが、財産に関して、被害が最小になるように事前に対処しておきます。固定金具の利用も生命だけでなく、財産を守る手段の一つです。また、現金は、必要最低限のもの+緊急時の予備の分だけ置き、その他有価証券類など、まとまったものは、家に保管せずに預金に入れたり、貸金庫等に保管しておいたりします。財産の中には、物や金銭的なもの以外に、情報も含まれます。パソコン内のデータもバックアップを取っておき、貸金庫などに保管したり、クラウドを利用したりして、データを別の場所に保管する工夫をしておくと良いでしょう。
●できるだけ早く、もとの生活ができるようにすること
できるだけ早く、もとの生活に戻るためには、やはりお金が必要です。ここで初めて、保険という話になります。ここまで書いてきたように、保険よりも優先順位の高い、生命を守るための対策、そして、被害を最小にするための対策をした後、保険を検討することが必要です。もちろん、全ての対策を行うのですが、保険には入っているけれども、その他の対策をしていない人がほとんどです。保険に加入しただけでは、生命を守ったり、損害の発生を抑制することはできません。保険は、あくまでも金銭的な補填にしかなりません。
被災地への想いと、防災意識はいつまでも
東日本大震災が起こった3月11日前後には、報道機関も被災された地域の復興状況をニュースで紹介していましたが、3月12日以降、それらの映像は、極端に少なくなりました。1年前に比べると、取り上げる時間も少なくなったように感じます。私は、仕事の関係で、3月に宮城県の気仙沼や岩手県の釜石市、大槌町、山田町、宮古市などを訪問し、たくさんの方とお話をする機会を得ました。沿岸部の状況を実際に見たり、人々の暮らしぶりを伺っていると、復興までの道のりはまだ遠く、震災による被害は現在進行形です。観光客やボランティアの方で賑わった、仮設商店街を訪れる人の数も、1年前に比べると随分減ったようです。一方、家庭内の防災意識については、どうでしょうか? ハザードマップや帰宅マップ、家庭内の防災グッズなど、いろいろ注目されました。防災グッズに入っている非常食の消費期限が切れているけれど、そのままにしていたり、防災グッズも、いつの間にか、物置の奥にしまってしまった、という話も聞ききます。防災意識も時の経過と共に薄れるものでしょうか?
震災の記憶は時の経過と共に薄れてしまいがちですが、震災による被害は現在もなお、続いています。一方、私たちの生活にいつ災害が降りかかるともしれません。被災地への想いと、防災意識は、いつまでも持ち続けたいものです。
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