このおなじみのフレーズは、ジェネリック商品などのED(勃起不全、勃起障害)治療薬を服用する際にも言えることです。
「薬も過ぎれば毒となる」という言葉があるように、たとえ良いものであっても、度を超したり、使い方を誤ったりすると害になることがあります。ED治療薬も直接、体内に取り入れるので、正しく服用しないと、その力を十分に発揮させることができません。
今回は、ED治療薬の正しい使い方や飲み方などについて基本的かつ大切な心得を4つ、お伝えしたいと思います。
1.飲んだだけでは勃起しません
効き目があらわれるためには飲むだけでなく、性的な「起爆剤」が必要
ED治療薬は「勃起を助け、保つこと」を目的とする薬です。ですから、いくらED治療薬を飲んでも、勃起を促す性的な興奮がなければ何も起こりません。視覚的なきっかけや陰茎への直接的な刺激などで脳が性的に興奮することで初めて勃起が起こるのです。
また、たとえ薬の効果が続いていても、射精をすれば勃起は収まります。性的刺激で始まり、射精によって解消するという一連の流れは、ED治療薬が自然な形で勃起(とその後の性行為)に関わっていることを示しているといえるでしょう。
また、ED治療薬を飲むと、ところ構わず勃起してしまったり、自分でコントロールができなくなったりするのではないか、と思う人もいるようです。しかし、この薬は性的な刺激に普通に反応するようにはたらくので、そのような刺激がない限り、陰茎を「暴走」させることはありません。
2.回春剤や精力剤ではありません
ED治療薬には回春剤や精力剤、あるいは催淫剤のような作用があらわれるのではないか、という誤解も少なくありません。このため、路地裏の怪しげなアダルトショップでED治療薬を探す人もいるようです。しかし、ED治療薬には、性欲増強をもたらすような効果は一切ありません。
ごく簡単に言うと、ED治療薬は陰茎の血管を広げて海綿体にたくさんの血液が流れ込むようにして、勃起を助けるはたらきをします。ですから、この薬を飲むことで性欲が急に高まるわけでも精力絶倫になるわけでもありません。これは、含まれる成分が脳に直接作用するような薬ではないからです。性的な欲望は化学的に高めることができません。
いわゆる「快感」は脳で感じるものです。ED治療薬は脳に作用する薬ではないので、飲んでも快感が変わることはありません。ED治療薬の作用で快感が高まることもなければ、低下することもありません。
3.硝酸剤と併用してはいけません
血管や血液の流れに関係の深いED治療薬を服用する際、最も注意すべきことは、決して併用してはならない種類の薬の存在です。ED治療薬には血管を広げるはたらきがあるので、狭心症などの心臓病の治療によく使われるニトログリセリンなどの「硝酸剤」(血圧降下剤)と一緒に飲むと、相乗効果で血管が広がりすぎてしまいます。血管が広がりすぎると、急激で大幅な血圧低下が起こり、場合によっては危険な状態を招くことがあります。飲み薬ばかりでなく、舌下錠や貼り薬、注射薬、吸入剤など、薬の形を問わず、硝酸剤との併用はNGです。
また、血管に関わる病気をしたことがある人は、たとえ現在は治っていても、健康な人よりも血管系が弱っていると思われるので、慎重に使いましょう。著しい高血圧症や低血圧症の人、それらの治療薬を服用している人も要注意です。
4.すぐに効果があらわれなくても諦めないで
飲んだ分だけ効果が高まるわけでない。自分勝手に使用量を増やすのは禁物
期待したほどの効果が得られない場合に考えられるのは、勃起を促すための性的興奮が足りないことです。環境を工夫してみてください。多くの場合「後日のリベンジ」で挽回することができます。
いくら効果があらわれなかったからといって、自分で勝手に使用量を増やすことは禁物です。決められた量を超えて飲んでも効果が高まるわけではありません。むしろ、別の副作用を招いてしまうことがあります。
軽症のEDの場合、ED治療薬を飲み続けると依存症になってしまうのではないかと気にする人もいますが、ED治療薬には依存性はないので、心配する必要はありません。
いずれにせよ、飲み方や飲んだ後の効果などで迷ったときは自己判断をせず、信頼できる専門医に相談することをおすすめします。
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