投資信託/NISA(日本版ISA)とは?その活用法

ISA口座、非課税の5年が終了したらどうなる?

日本版ISAで運用する場合の注意点について、まとめました。投資家にとって特段、不利益になることはありませんが、期限付きの制度のため、制約があるのは仕方ないこと。どんな点に注意すべきか、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんにアドバイスをいただきました。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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ISA口座で運用を始めてからの注意点とは?

ISA口座の非課税期間が終了したらどうなる?

ISA口座の非課税期間が終了したらどうなる?

実際に運用を始めてから注意すべきことがいくつかあります。

まず、翌年以降に追加投資ができない点と商品の入れ替え(スイッチング)ができない点です。非課税枠の100万円を使い切る必要はありませんが、翌年になって資金ができたからといって、追加で残りの枠を使うことはできません。初年の投資額で5年間運用することになります。また、投資信託などでは、同じシリーズ内でファンドのスイッチングが可能な商品がありますが、ISAではそうした乗り換え(スイッチング)はできません。

「それだけに、特に投資信託を利用する場合は、ファンドの運用期間がいつまでなのかをチェックすることも大切です。株式なら長期保有が可能な銘柄選びが重要になります」(深野さん)

途中売却のときの扱い

5年間の非課税特典があるとはいえ、運用している途中で値上がりし、売却を考えることもあるでしょう。そのときの考え方は下記のようになります。

値上がりして全部を売却する場合は、その非課税枠は、売却した時点で消滅し、追加投資することはできません(1)。また、投資信託なら口数単位、株式なら単元で売却することもできます(2)。その場合は、売却後に残った投資額で、残りの非課税枠が継続します。
「非課税枠は最大で10年使えますが、預貯金のように満期という考え方はせず、値上がりしたら売却して、きちんと利益を確定させることも大事です。もちろん、当面は使う予定のない資金であれば、配当や分配金を非課税で受け取り、その特典をめいっぱい利用すればいいでしょう」(深野さん)

解説図表

ロールオーバーすれば、さらに5年は非課税



ISAの非課税期間が終了したときの選択


非課税期間の5年が終了した時点の評価額で、そのときの選択は変わってきます。終了した時点で必ずしも売却する必要はありません。

非課税枠の100万円というのがポイントで、(1)のように100万円未満であれば、そのまま翌年の非課税枠に移管でき、さらに5年間、非課税枠を利用することができます。(2)のように100万円を超えた場合でも、超えた分のみを課税口座に移管(または売却)して、残りの100万円は引き続き非課税枠で運用ができます。もちろん、(3)のように5年終了時点で100万円を超えていたら全額を課税口座に移管(または売却)することも可能です。さらに、(4)のように100万円を下回っていた場合は、この時に限り、100万円以内になるように追加投資し、非課税枠を使うこともできるのです。

5年後に一度乗り換え(ロールオーバー)して、最長10年は非課税のメリットを享受できるわけです。そして10年たったときには課税口座に移管されるだけですから、その時点での運用結果次第で売却するのか、移管して保有し続けるのか考えればいいのです。長期で運用できれば、それだけ非課税の特典が受けられますが、あまり期限にこだわらず、運用の結果をチェックして、投資判断をすることが重要です」(深野さん)

解説図表

時価評価で扱いは変わる


☆監修者紹介☆
監修/深野康彦さん
(有)ファイナンシャル・リサーチ代表。ファイナンシャル・プランナーの草分け的存在。幅広い金融知識と実践に基づく、わかりやすい解説に定評がある。TV・ラジオ出演をはじめ、講演、新聞・雑誌取材に引っ張りだこ。近著に『あなたの毎月分配型投資信託が危ない!』(ダイヤモンド社)など、著書多数。





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