VOLVO(ボルボ)/ボルボ

プレミアムカーの新たな潮流、Cセグに登場したV40(4ページ目)

ミドルクラスステーションワゴンで一時代を築いたボルボが、5ドアハッチバック市場に投げこんだ“渾身のストレート”V40。ドイツプレミアム勢の1シリーズ&Aクラスとの比較を通じて、その魅力を掘り下げてみます。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド


ジャーマンブランドにほぼ比肩、そこに伝統の付加価値も……

ボルボV40

前方車両をレーザーセンサーで監視、自動でブレーキをかけることで衝突を回避/軽減させるシティ・セーフティを標準装備。正面から衝突した歩行者の負傷を軽減させる、世界初の歩行者エアバッグもオプションで用意される

パワフルなエンジンは、特に高回転域でのフィールが逞しく、3台のなかでは飛び抜けている。加速フィールそのものは3台とも甲乙つけ難く、段数の多いクルマの方が確かに小気味よくシフトアップしていくが、6速のV40にはそれを補って余あるパワーフィールがあった。

BMW1シリーズ

直噴システムやバルブトロニック、ツインスクロールターボなどを備えた、1.6リッターターボの1シリーズ。ブレーキエネルギー回生システムやアイドリングストップなども備え、10・15モード燃費は116iが17.6km/l、120iが17.2km/l

1シリーズが上回っていたのは、街中での絶妙な乗り心地と、後輪駆動ゆえの重量バランスがもたらすハンドリングパフォーマンスだ。これにはV40はもちろん、Aクラスもまるで敵わない。何なら、3シリーズが相手でもいい勝負をする。今、BMWで最も運転が気持ちいいのは、1シリーズである。

V40は、前アシの踏ん張りの良さと後アシの追従性の高さで、軽快なフットワークをみせる。にわかにスポーツイメージを打ち出したAクラスと互角の楽しさだ。走りが自慢のアルファロメオジュリエッタ+左ハンドル仕様には少し負けるが、右ハンドルのコンペティツィオーネとの対決であれば、同等かそれ以上のファンを提供してくれる。

メルセデス・ベンツAクラス

Aクラスは122psの1.6リッター直噴ターボにデュアルクラッチの7G-DCTを搭載。こちらもアイドリングストップ機構などを備え、JC08モード燃費で15.9km/lとした

Aクラスが優れているのは、しっかりとしたボディとよく練りこまれたアシまわり、そして制御をリファインした7速DCTの共同作業による、硬質で安定感のある走り味だが、いかんせん低速域での乗り心地が未だ洗練されていない。たしかに、V40にも若干、同じような傾向がみうけられたものだが……。

ちなみに、プレミアム系が荒れがちな低速での乗り味を含めて、オールマイティに高い完成度を誇っているのが、新型フォーカスであったことを報告しておこう。ライドフィールの総合評価では、ゴルフ登場前の暫定一位という素性の良さであった。


フォードフォーカス

フォーカスは170psの2リッター直噴にデュアルクラッチの6速パワーシフトを採用。JC08モード燃費は12km/l

ファンという点で1シリーズに一歩譲るものの、ダイナミックパフォーマンスとデザインなどプレミアム性の表現で、総じてジャーマンブランドとほぼ肩を並べたV40。これに、最新レベルの装備によって対歩行車レベルまで徹底的に磨きあげた安全性という、伝統の付加価値がつくとすれば……。

そして、269万円~という、業界衝撃のスタートプライス!

スカンジナビアンデザインという古くて新しいアピールを積極的に打ち出した“安全で多彩なボルボ”は、プレミアムカーの新たな潮流として、これまで以上に幅広い支持を集めることになりそうだ。
ボルボV40

ミリ波レーダーとカメラで前方の歩行者や車両を検知して衝突を回避/軽減するヒューマン・セーフティや全車速追従機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロールなどの安全・快適装備をセットにしたセーフティ・パッケージ。T4にはオプション(20万円)、T4 SEには標準で採用する

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