眠りに大切なスリープ・セレモニー
眠る前に決まった行動をとると、心と体の眠る準備が整うので、グッスリ眠れるようになります。このような行動を「スリープ・セレモニー」、あるいは「入眠儀式」と言います。2012年にワコールが行ったアンケート調査では、8割以上の人がスリープ・セレモニーをしていました。実際に行っているスリープ・セレモニーのベスト3は、「トイレに行く」が45%、「歯を磨く」が43%、「パジャマなどに着替える」が32%でした。さらにワコールはパジャマに着目して、オムロンヘルスケアとともに「パジャマと眠りに関する共同実験」を行いました。実験の対象は、普段、パジャマに着替えないで眠る20~40歳代の男女30名です。この実験では、睡眠の状態をチェックするために、オムロンヘルスケアの睡眠計が使われました。
パジャマで良くなる睡眠の質
パジャマを着ると、睡眠の質が良くなります
つまり、パジャマを着ることで、寝つきにかかる時間が約9分も短くなりました。睡眠薬を飲んでも、平均して10~20分しか入眠潜時が短くなりませんから、パジャマ効果はとても大きいと言えます。
また、夜中に目覚める回数(中途覚醒)も、パジャマを着ると減ります。これまでの服装で眠った場合は、夜中に目覚める回数が平均3.54回でしたが、パジャマを着るようになると、平均3.01回しか目覚めず、約15%も減りました。ただし、これは睡眠計が「目覚めた」と判断した回数なので、本人はこんなに目覚めたと思っていないかもしれません。
パジャマを着ると、寝つきが良くなって夜中に目覚めなくなるので、睡眠効率も良くなります。睡眠効率は、〈実際に眠っていた時間〉÷〈寝床にいた時間〉×100で表されます。パジャマ以外で眠ったときの睡眠効率は84%、パジャマを着た時の睡眠効率は87%で、3ポイント改善しました。
パジャマを着るとよく眠れる理由
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は、心身を目覚めさせてくれる昼の神経です。一方、副交感神経は、リラックスしたり眠るときに働く夜の神経です。交感神経から副交感神経への切り替えは、一瞬でできるのではなく、少し時間がかかります。この切り替えをスムーズにして眠りやすくしてくれるのが、スリープ・セレモニーです。今回の実験から、パジャマに着替えることはかなり有効なスリープ・セレモニーだ、ということが分かりました。これまでパジャマを着ていなかった人は、パジャマの睡眠に対する効果を知らずにいたのです。実際、実験に参加した人の多くが、パジャマの着心地の良さや睡眠の改善を実感しています。
パジャマは日中の服と違って、体への締め付けが少なく、生地も肌触りが良いものを使っています。これらの要素が心身をリラックスさせ、寝つきを良くし、夜中に目覚めにくくするのです。もし、あなたがパジャマを着ずに眠っているのなら、ぜひ、パジャマを試してみてください。
【関連サイト】
「パジャマと眠りに関する共同実験」結果
ワコール/睡眠科学
自分の睡眠を知ろう! 話題の睡眠計ってどうなの?