西日本グルメ/北陸グルメ

ズボガニ&越前蟹! 福井グルメ特集(2ページ目)

All Aboutグルメ地方シリーズ、今回は「福井県」! 京都からサンダーバードで一時間ちょいで行ける福井県は美食材の宝庫なのです。今回は「越前蟹」はもちろん、「ズボガニ」や「辛み蕎麦」、「ソースカツ丼」まで幅広く御紹介していきます。

執筆者:麻生 玲央

越前 蟹の坊の「ズボガニ」

ズボガニ

生きた状態の「ズボガニ(水がに)」。

みなさんは「ズボガニ(水ガニ)」と呼ばれる蟹を御存知でしょうか? 福井県では「水ガニ」と呼ばれて親しまれていますが、県外の人で知っている人はかなり少ないと思います。まさに「知る人ぞ知る」名産物。この「ズボガニ(水ガニ)」、簡単に説明すると「脱皮したての越前蟹」のことを、「ズボガニ(水ガニ)」と言います。他にも脱皮後の蟹は殻から身が「スボッ」と取りやすいことから「ズボガニ」と呼ぶなど諸説あります。

また、特筆すべきは、その御値段。今回いただいた「ズボガニ」はかなり大ぶりでしたが、一匹なんと4000円! 一般的な越前蟹だと中サイズ(700グラム以上)で8000円~15000円はしますので、それに比べれば「ズボガニ」は本当にありがたいほど手頃な御値段なのです。とにかく格安で、蟹を沢山食べたい! という時には最適でしょう。

しかも、1月11日~3月20日頃と食べられる時期が長いのも嬉しいですね。ちょうど「セイコガニ(メスのズワイガニ)」が1月10日頃で終わりますので、1月11日以降に訪問される人は是非とも、この「ズボガニ(水ガニ)」と「越前蟹」の食べ比べをしてみてほしいですね。

私が食べた感想で言うと、越前蟹のほうが旨味は濃いですが、殻から身の取りやすさでいえば断然「ズボガニ」。どちらも好みの世界ですし、甲乙つけがたい! でもどちらも三国港の最高の越前蟹ですから、抜群に美味しいことは間違いありません。やはり両方を食べ比べて至福の時間を愉しむのが一番! ですね。
茹でたて

茹でたての「ズボガニ」

そしてこれが三国にある「越前 蟹の坊(望洋楼のプロデュース店)」で食した「ズボガニ(水ガニ)」。脱皮直後のズワイガニは茹でると頭(ミソ)の部分が溶けてしまうので、脚のみが提供されます。
水かに

身の色も鮮やかです

まさにズボッと、殻から身が抜け出せました。個体差がありますので、全てのズボガニで身が取りやすいとは限りませんが、今回のズボガニは大ぶりながら、ズボッと取れましたね。この身を一度にガブっと口に入れる口福感はたまりません! 控えめな塩分で旨味が引き立っていますし、日本酒(特に福井の純米酒)が欲しくなる味わいです。
もちえび

「もちえび」のから揚げ

これは「もちえび」のから揚げ。「もちえび」とは「ズボガニ」と同じく「脱皮したて」の甘海老のことで、から揚げにすることで頭から尻尾まで、まるっと食べられる逸品です。特に頭のミソ部分と身の甘味、そこに殻部分のパリパリ食感が合わさって、止まらない旨さ! 甘海老は刺身で食べるのも良いですが、この食べ方も最高です。
サラダ

三国産サラダ

また、福井(三国)の野菜の高品質さにも驚きましたね。米やフルーツが美味しいのは知っていましたが、野菜がこれほどまでに素晴らしいとは! ここ最近の三国では蟹殻を肥料にした栽培が盛んになってきているということで、これだけ野菜の素材感がある色の濃い地野菜ができるのでしょう。三国に来られたら新鮮な「地野菜」も必食です。

次ページでは、宿で食べる越前蟹を御紹介していきます
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