十分な性能を備える
FH56/KDのスペックを記しておく。CPUは Ivy Bridge世代のCore i7 3630QM(2.4GHz)で、最大3.4GHzで動作する。メモリは8GBで、最大16GB。2つスロットは埋まっているため、増設には既存のメモリを取り外す必要がある。HDDは2TBと十分だ。グラフィックスはCPU内蔵のインテルHD Graphics4000。これといって目立った点はないが、堅実な構成といえる。4コア8スレッドのCPUは快適で、オフィス用途などでも操作にもたつくことはない。
光学ドライブは、128GB保存できる大容量BDXL対応のスロットイン型Blu-ray Discドライブ。USBポートは、USB3.0×3、USB2.0×3の計6つ。ほかにHDMI入力など。OSはWindows 8(64ビット)だ。
テレビ機能やソフトも充実
テレビ機能は、地上/BS/CSの3波チューナーをダブルで搭載。通常のダブル録画はもちろん、最大15倍の長時間録画もダブルで可能。このあたりは、ミドルレンジ以上のHDDレコーダー並みの機能といえる。OSの起動なしにテレビが見られる「クイックテレビ」も、3波に対応している。Microsoft Officeは、最新のOffice Home and Business 2013(Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook)を搭載。このほか、インターネット電話の「Skype」、ハガキ作成の「筆ぐるめ」、各種電子辞書など豊富なソフトウェアが付属。ウイルス対策ソフトで「Norton Internet Security」「ウイルスバスタークラウド」と複数を採用し、ユーザーに選ぶ余地を与えてくれているのは、富士通らしいサービス精神といえよう。
「My Cloud」でデータを安心に管理
FMV春モデル共通の特徴は、昨秋に本格展開が始まった、富士通のクラウドサービス「My Cloud(マイクラウド)」に当初から対応していること。My Cloudは、自分のパソコンはもちろん、家庭、スマートフォン(高機能携帯電話)、クラウド上のスペースにある写真・ビデオ・音楽といったコンテンツをまとめて管理できるサービスだ。FMVユーザーには無料で5GBのクラウドスペースが与えられ増量もできる(有料)。
HDDレコーダー、パソコンなど家庭内の複数機器に録画された番組を、パソコンやスマホで整理・視聴できたり、自宅のパソコンに保存された写真を外出先から閲覧するなどといった楽しみ方ができるようになる。
また、My CloudにはHDDの使用状況や放熱ファンの状態など、パソコンの状態をオンラインでチェックしたり、オンラインでユーザーの質問に答えたり、壁紙ダウンロードや富士通製品の割引購入など、加入者限定の特典もある。My Cloudのポータルサイトもあり、自分のサービス利用状況のチェックも可能だ。
クラウドサービスというと、一定のディスク容量を与えて「自由に使って下さい」的なものがほとんどだが、サポートなどを組み合わせているのはメーカーならではといえる。
なお、FMV以外のユーザーでも加入できるが、その場合は無料のディスク容量が500MBに限られる上、機能にも制限がある。事実上、「FMVユーザーのための」サービスと言える。
次のページでは、ワイヤレスタッチパッドについて紹介する。