(2)過去の不幸にひきずるタイプ
過去の失恋をひきずっていませんか?
以前、こんなお悩み相談が来ました。
「転職を機会に、当時結婚を考えていた恋人に『もう好きじゃない』と嘘をつき、別れました。
転職をすることは、彼との結婚をあきらめることだと思ったからです。
その後、彼から『他の女性と結婚する。子供ができた。今は幸せだ』という連絡が来ました。
失ってみて初めて彼の大切さに気付きました。そして、本当に大切な人はどんなことをしても手放してはいけないのだと後悔しました。
今は、男性と出会うと元カレと比べてしまうし、『結婚』『赤ちゃん』と聞くだけで、胸が締め付けられます。
新しい恋をするにはどうしたらいいでしょうか?」
これは、典型的な“悲劇のヒロイン”タイプと言えるでしょう。
そもそも転職をしたときに、どうして彼と別れなくてはいけなかったのでしょうか?
「もう好きじゃない」なんて嘘をついて別れる必要はなく、ただ、「転職して夢を追いかけたいから、まだ結婚できないよ。待っていてほしいけど、待っていてくれる?」と聞けばよかっただけです。
相談者の方は「本当に大切なものは手放してはいけない」とおっしゃっていますが、行動から察すると、おそらくそこまで大切なものではなかったような気がします。失ったことのもったいなさから、そう思っている可能性も高いと思うのです。
今回のことで、一番理解をした方がいいことは、この失恋は単に「元カレとは縁がなかった」だけのことです。
別れた後、元カレにはタイミングよく新たな女性が現れ、その女性がご懐妊されたのであれば、その元カレはその彼女と縁があった、ということです。
つまり、その元カレは相談者にとっては、運命の人ではありません。
だから、相談者の方は、今後、出会う人と元カレを比較する必要はないのです。
不幸を引きずらないために大切なこと
物事はいつだって、デメリットだけではなく、そこには必ず光があります。
そっちの方に目を向けるようにすることが大切なのです。
悲劇のヒロインタイプの人は、そのデメリットの方ばかりに目を向けてしまいます。
例えば、オレンジジュースが入っているコップを倒しそうになって、ジュースを半分こぼしてしまったとします。
悲劇のヒロインタイプは、失った半分のジュースばかりにこだわります。「もったいなかった」と。
でも、人によっては、「まだ全部こぼれなくて、ラッキーだった」「ダイエット中だったから、ちょうどよかった」と思う人もいます。
さらに日々を楽しむタイプだと、そのジュースが半分入ったグラスにヨーグルトドリンクを加えて、オレンジヨーグルトとして新たな美味しさを味わったりします。これはジュースが半分にならなければ、思いつかなかったかもしれません。
失恋をしたからこそ、よかったことも少なからずあるはずなんです。
一人でいる孤独もあれば、一人だからこその自由もあります。
「恋人がいない分、暇な時間が増えた」と嘆くか、「時間ができたから、仕事を頑張れたり、趣味に没頭できる」と前向きにとらえるかは、人それぞれです。
どちらに目を向けるかで、悲劇のヒロインになるかならないかの違いが出てくるものなんですよね。