目安は物件価格を賃料で回収するには何年かかるか
賃料何年分で物件価格が回収できるかがカギ |
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マンションPER=マンション価格÷(月額賃料×12)
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ちなみに、2008年のマンションPERのもっとも低い駅(収益性の高い駅)はJR山手線の品川駅でした。70m2の新築マンション価格の平均が5,349万円で、同じく70m2賃料は月額295,270円。この場合マンションPERは15.10となり、貸せば約15年で回収でき、そこから先は単純にマンションが生み出す利益ということになります。注)試算は賃料の上下やローンを考慮しない場合
次に低いのが東京メトロ丸の内線の中野新橋駅で、70m2新築マンション価格の平均が5,722万円で、同じく70m2賃料は月額247,789円。この場合マンションPERは19.24となります。以下四谷三丁目20.38、大江戸線両国20.43、三田線神保町20.52、大江戸線勝どき20.59と続きます。比較的都心の交通利便性の良いエリアが中心となっています。
では一方でPERが高いのはどのようなエリアでしょうか?同じく2008年の高価格帯でのランキングを見てみましょう。
マンションPERのもっとも高い駅(収益性の低い駅)は六本木で、70m2の新築マンション価格の平均が20,626万円で、同じく70m2賃料は月額366,761円。マンションPERは46.87となり、貸しても賃料の回収には約47年かかるということになります。通常のローンはだいたい35年程度ですから、それをはるかに超える年数がかかってしまうことになります。
同じく次に小田急線代々木八幡駅、東京メトロ銀座線赤坂見附駅、JR横須賀線鎌倉駅と続きます。これらは平均分譲価格が一億を超えるエリアで、良好な住宅地が多く、相対的に価格に比して賃料相場が低いといえます。このようなエリアでは、一般的に中古物件の価格も高く、貸すよりも売るほうがトクといえるでしょう。ただし、この数値はマンションの分譲状況などにより毎年変わるので、その時々の状況を常にウォッチしておきたいものです。なお、2009年のデータでは、“東高西低” の傾向で都心周辺部や城東エリアなどで高収益駅が微増しているようです。
次回は気になる利回りについて解説します。