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ケガを防ぐ!電球交換を考えた照明プラン(2ページ目)

椅子に載っての電球交換で転倒するケースが頻発しています。安全に電球を交換するためには、照明のプランニングと、器具選びが大切です。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド


階段や吹き抜け、ダウンライトは要注意

階段の照明には特に注意が必要です。手が届く位置に「ブラケット」(壁に付けるタイプ)を使うのが安全です。ブラケットは、電球がむきだしになったタイプの方が交換が楽です。足元の明るさを確保したいときは「足元灯」を使うのもいいでしょう。

昇降機
吹き抜けのシャンデリアには、必ず電動昇降機を取り付けること
吹き抜けの照明には、電動昇降機を付けるようにします。電動昇降機があれば、スイッチひとつで照明器具を上げ下ろしできます。これがないと業者に頼まなければ清掃や交換ができません。結局は費用が掛かりますから、必ず取り付けしましょう。

天井に埋め込まれるダウンライトには、様々なタイプの電球(ハロゲンランプなど)が使われます。電球型蛍光ランプを使用したものの方が、電球交換は容易です。最近は廊下にもダウンライトが使われますが、もし明るさを求めるのであれば、昔ながらの管がむきだしになった直管型の蛍光灯を取り付けても構わないでしょう。

ランプは出来るだけ長寿命タイプを選ぶ

無電極
「無電極パルックボール」は30,000時間の長寿命。約8年間は交換が不要
電球交換の問題を解決する最も有効な方法は、ずばり電球が切れないことです。現実的には無理ですが、それに近い電球はすでに開発されています。例えば松下電工の「無電極パルックボール」は、約30,000時間の寿命があります。1日10時間点灯して8~10年は持つことになります。階段など交換が難しい場所には最適です。

価格は1個約5,000円と高価ですが、普通電球に比べ交換回数が少なくなる分、電球代は同等になるとのこと。電気代は約1/5に節約できるので、トータルコストが削減できそうです。生まれた子供が小学生になるわけですから、本当に長寿命ですね。

ここまで長寿命ではありませんが、おなじみの電球型蛍光灯も寿命がだいぶ伸びました。松下電工の「パルックボールプレミアム」は、10,000時間の長寿命です。通常の電球型蛍光灯は約6,000時間ですから、約2倍ほどの寿命になっています。

サークライン(環型)や直管の蛍光ランプでは、東芝ライテックの「メロウルック・プライド」があります。寿命は従来の2倍の約12,000時間、明るさも30%アップしているそうです。電球や蛍光灯は出来るだけ長寿命のものを買った方が、結局は得になります。なにより交換の回数が減るのがうれしいです。

今後普及が期待されるのがLED(発光ダイオード)を使った照明です。すでに店舗照明の一部には使われていますが、まだ高価で光量も不足しています。ここ数年で急速に進歩しているので、いずれは家庭用に使われるようになります。寿命は長いものだと6万時間。約20年はもつ計算になります。

照明器具にも寿命があります

JIS(日本工業規格)では、照明器具を10年で交換することを勧めています。リフォームなどの機会がないと、照明器具はなかなか交換しませんが、少しでも異常を感じたら交換して下さい。最悪の場合は火災の原因にもなります。特に蛍光灯の場合、古い器具では明るさが本来の性能よりも暗くなります。蛍光管を取り替えてもすぐに駄目になることもあります。

ちなみに、壁に付けたスイッチやリモコンではなく、照明器具自体にひもが付いたスイッチ(プルスイッチ)が欲しいという方も多いと思います。最近ひも付きの器具は少なくなりましたが、希望があればプロに相談してみてください。別パーツでひも付きスイッチを付けることもできます。壁付けスイッチの取り付け位置は、家具の配置を変えると使えなくなることも多いので注意が必要です。

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