住宅設計・間取り/住宅設計・間取り関連情報

「ねこ式快適術」でひきこもりを防ぐ

ひきこもりはどうして起こるのでしょう。その原因は様々ですが、大きな理由のひとつは、「個室が快適すぎること」です。ベッドにテレビ・ゲーム・パソコンなどなど、快適すぎる子供部屋はNGです。

塩野 哲也

執筆者:塩野 哲也

空間デザインガイド

ねこに学ぶ、ひきこもり防止策

ねこ
ねこは常識にとらわれず快適な場所を探し出す名人。ねこの行動には生活のヒントが隠されています。

ねこは快適な場所を探す名人です。冬は日なた、夏は日陰、どこがどの時間に快適で安全なのかを的確に探しだし、気持ちよさそうに過ごしています。猫はいいなーと眺めているだけでなく、この行動にこそ、ひきこもりを防ぐヒントがあります

現代の子供部屋には、テレビやベッド、ゲーム、パソコン、エアコンなど、快適に過ごせるアイテムが揃っています。快適だからこそ、子供は部屋の外に出たがりません。

ねこと同じく人間も、快適な場所に自然とあつまるものです。テレビやゲームなどの機能ももちろんですが、温度や空気のよさ、空間の快適性なども大きく関わってきます。

リビングを最高の空間にする

プラン
パソコンスペースを設けたり、タイル貼りにして床暖を入れたり。家の中で最高に快適なリビングにしましょう。
ダイニングでご飯をたべて、その後は各個室にちりぢりに。こうした寂しい家族関係を変えるためには、まずリビングを最高の居場所にしましょう。そのためには、今までのリビングの考えを変えることも必要です。

従来のリビングは、中心にテレビがあり、ソファを置いてくつろぐスタイルが一般的ですが、今の子供にとってそれは退屈です。もっと楽しいリビングにするためには、インターネットなどの新しい機能を加え、勉強もリビングのそばで出来る環境を作る必要があります。

機能だけでなく、冬は暖かく、夏は涼しいといった快適さも大切です。そのためには床暖房を採用したり、壁面に珪藻土を使うなど、エアコンよりも一歩進んだ空気環境をつくる工夫も有効です。

子供部屋は居心地を悪くする

プラン
快適ばかりがプランではありません。子供部屋はあえて不快にして、リビングに誘導しましょう。
一方で子供部屋の居心地を悪くして、部屋に入りたくないように仕向けるのも有効です。部屋を極端に狭くして、睡眠や着替えしか出来ないようにしたり、テレビやパソコンを置かないようにしたり、居心地の悪さをプランするという逆転の発想がキーになります。

例えば、ある建築家の自邸では、子供部屋は約3畳。ベッドを置くとほとんど場所はありません。そのかわりに、家族が揃って仕事や勉強をするオープンなワーキングデスクを設け、父親が設計をする隣で、子供が宿題をするという、うらやましい環境を実現しています。

このようなプランは無理だとしても、子供と大人が一緒に過ごすためのプランをどうつくれるか、次のページで考察してみましょう。

次のページで、大人と子供が共存できるリビングとは何かを考えます。
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