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サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会のモーセ像

サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会には、ミケランジェロによるモーセ像があります。有名な作品で、ガイドブックでもよく紹介されていますが、これはまさに一見の価値ありという作品です。

投稿記事

ミケランジェロが制作したモーセ像

 

 

サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会には、ミケランジェロによるモーセ像があります。有名な作品で、ガイドブックでもよく紹介されていますが、これはまさに一見の価値ありという作品です。

私はテルミニ駅付近のホテルに宿泊していたのですが、街並みを見ながら散策したかったので徒歩であちこち行きました。目的地まで距離が遠ければ、風景も見られるバスを使うとよいでしょう。

テルミニ駅からフォロ・ロマーノ方面には、ローマを構成するエスクィーノ丘、チェリオの丘があり、やや上り坂です。このサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会は、駅前からまっすぐ南東に延びるVia Cavorを登っていく途中にあります。

和辻哲郎著『イタリア古寺巡礼』にも、ローマに滞在した際、この教会を訪れたことについて書いてあります。私は、和辻のモーセ像の感想から興味をひかれて足を向けてみました。

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このモーセ像は単独の作品ではなく、ミケランジェロが制作した法王ジュリオ二世墓所の一部で、墓所は教会の左翼廊にあります。解説によると1505~1545年の作品(制作依頼が1505年で、実際に作っていたのはもう少し後なのだそうです)で、上段中央がモーセ、左がリア、右がラケーレ、上段中央がジュリオ二世と聖母子、左がシビッラ、右がプロフェータです。

出エジプト記第31章18『主はシナイ山でモーセに語り終えられたとき、あかしの板二枚、すなわち神が指をもって書かれた石の板をモーセに授けられた。※』のシーンを表していて、モーセは「十戒」の記された石板を抱えています。

彼の頭に生えている角のようなものは、ヴルガダ訳の『出エジプト記』の描写や、「輝く」という意味を持つヘブライ語の「角」からの解釈による表現なのだそうです。

墓所は二方向から見学できるようになっており、見る角度が変わると、彫像の表情がガラリと変わります。じっくりと見れば見るほど面白く、それに作品の背景となる歴史、聖書や聖書の解釈についての知識が得られるとさらに新しい作品の世界が見えてきます。

【出典】
※『wikisource』http://ja.wikisource.org

■サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会
住所:Piazza di San Pietro in Vincoli, 4a 00184 Roma
電話:+39 06 9784 4952

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