皮膚・爪・髪の病気/その他の皮膚・爪・髪の病気

ネイルで変色? グリーンネイルの原因・症状・治療法

爪で菌が繁殖して緑色になってしまうグリーンネイル。緑の正体はなんと緑膿菌です。通常ではありえない状態ですが、ジェルネイルが関係して起きることが増えています。原因と症状、治療法についてご紹介します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

ジェルを塗り重ねて、紫外線で固めるジェルネイル。従来のネイルよりも持ちがよく、ネイルサロンに通っている女性も多いと思いますが、ケアが不十分だと爪にカビが生え、いわゆる「グリーンネイル」と呼ばれる状態になることがあります。

グリーンネイルの原因・症状

少し専門的な言葉でいうと、「光重合」を応用して施術するジェルネイル。光重合するジェルを爪に塗り、その度毎に光重合させる紫外線のライトを当てます。従来のネイルに比べて持ちがよいので、ネイルサロンはもちろん自宅でも自分で施術する方が多いようです。

ジェルは重合する時にわずかですが縮むので、断面で見ると曲線の爪の形が少し開くことになります。爪が伸びるとジェルが載っていない新しい爪の面積が増えていきますが、新しい爪の部分は形が変形していないので、境目の部分が少し白くなっていきます。さらに時間がたつと、ジェルが自爪から浮き、隙間ができてきます。この隙間には、手洗いや洗髪、入浴時に水が入り込む可能性があります。この隙間に緑膿菌が入り込んで増殖してしまうのが「グリーンネイル」です。

緑膿菌とは、水回りに常在している菌の代表。健康な状態なら影響のない日和見感染を起こす菌です。爪部分で緑膿菌が増殖しても、全身の感染症を引き起こす心配はありませんが、ケアが必要です。

グリーンネイルの治療法・対処法

green nail

グリーンネイル(写真提供:神楽坂 肌と爪のクリニック

ジェルネイルを長期間オフしなかったときなどに、爪とネイルの境が緑色に変色してきた場合は、皮膚科を受診しましょう。

ただし皮膚科ではつけているジェルネイルをオフの状態にはできないので、予めネイルサロンでジェル部分を外してから受診することをおすすめします。

一般的に起きやすい爪とジェルの間に菌が入るタイプのグリーンネイルの場合、ネイルを外した自爪の状態で経過観察し、ややひどい場合には外用薬を使用することで治療可能です。緑膿菌は日和見感染症の菌なので他人にうつる可能性はありません。グリーンネイルの状態で炊事しても問題ありません。

爪と指の肉の間に菌が入るタイプのグリーンネイルもありますが、これは直接はジェルネイルとは関係しません。この場合は皮膚科での長期的な治療が必要です。

グリーンネイルの予防法

グリーンネイルの予防法は、まず、ジェルネイルと自爪に隙間ができた状態で放置しないこと。そして、日常的には爪を濡らしたまま放置しないことです。手洗いや水仕事のあとは、爪を含めてしっかりと指を乾燥させるようにしましょう。

また、一定期間したらジェルネイルをオフすることも大切です。ジェルネイルをする前提なら、隙間ができて不衛生な状態にならないよう、定期的にジェルネイルを塗り替えて清潔を保つ、という結論になります。間隔は状態によりますが2~3週間程度になります。
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