グリーンネイルとは? カビではなくありふれた緑膿菌が原因

ネイルケア

健康に保ちたい自爪。しかし常在菌である緑膿菌が原因で、爪が緑色に変色してしまうことがあります

爪の表面に細菌が増え、爪が緑色や黒っぽく変色してしまうグリーンネイル。パンなどにつく青カビに似た色であることから「爪のカビ」などと誤解されがちですが、実際にはカビではなく、緑膿菌という細菌が原因で起こります。緑膿菌がピオシアニンやピオベルジンなどの色素を産生するため、患部が緑色に見えるのが特徴です。「緑色爪」「グリーンネイル」と呼ばれるのはそのためです。

緑膿菌は特別な菌ではなく、自然環境のいたるところに存在しています。私たちの皮膚や腸に普通に存在する常在菌です。そして健康な人の場合は、菌を持っていても身体に症状が出ることのない弱毒細菌です。一方で日和見感染といって、高齢者や免疫が低下した方などが感染した場合は、菌が増殖しやすく命に関わる危険な場合があります。

グリーンネイルの症例画像・写真

まずは、広範囲の爪甲剥離に伴うグリーンネイルの症例画像を見てみましょう。感染部位が緑色に変色していることがはっきりとわかると思います。
広範囲の爪甲剥離に伴う爪甲下感染

広範囲の爪甲剥離に伴う爪甲下感染


このように全体が緑色に変色してしまうと見た目も気になると思いますが、上からジェルネイルやマニキュアなどで隠すのはお勧めできません。

以下で、グリーンネイルの症状と感染の有無、治療法などについて詳しく解説します。

グリーンネイルの感染部位

グリーンネイルの原因となる緑膿菌に感染する部位は、
  1. 爪の上……爪と付け爪の隙間
  2. 爪の下……爪と皮膚(爪床)の隙間
の2つに分けられます。図で示すと下記のような違いです。
グリーンネイルの発生部位

グリーンネイルの発生部位

1つ目は爪の上の感染です。ジェルネイルやスカルプチャーネイルなどの付け爪をしていると、時間とともに付け爪が浮き、自爪と付け爪の間に隙間ができてしまう場合があります。緑膿菌は健康な皮膚や爪の上で増殖することはありませんが、湿った環境を好む性質があります。そのため、ジェルネイルと自爪の隙間の奥まったところが湿った状態になり、菌が増殖・感染することで、緑色に着色が進んでいきます。グリーンネイルには痛みや痒みといった自覚症状は基本的にないため、ジェルネイルなどを外して初めて爪が緑色に変色していることに気づいて受診される方がほとんどです。

2つ目は爪の下の感染です。「爪甲剥離症」と言って、爪が指先部分で皮膚(爪床)から浮き上がり白い部分が増えたように見える状態などがあると、剥離したツメと皮膚との隙間に緑膿菌が感染し、繁殖することがあります。

グリーンネイルは感染する? 人・器具からの感染はなし?

繰り返しになりますが、緑膿菌は私たちの日常環境ではごくありふれた菌です。健康な人がネイルサロンに行っただけで感染する訳ではありません。「菌がいること」と、「その菌によって病気を発症すること」は全く違います。菌が増殖、感染を起こす為の一定の条件がそろい初めて病気となる訳です。これは緑膿菌に限ったことではありません。

ネイルサロンでは、例えばネイル器具の滅菌消毒などのように病院と同様の対応は現実的ではないと思います。必要なことは、常識的な範囲内での衛生管理です。ネイリストの手洗い、器具を清潔に保ち乾燥させること、整理整頓や掃除、特に水回りがいつも清潔に保たれているかどうかも大切なことです。そして、もしあなたがネイリストでお客さんのグリーンネイルに気がついたら速やかな病院受診を勧めていただければと思います。

一方で、高齢者や新生児、免疫が低下した方などが感染すると命に関わる危険な場合があります。グリーンネイルの状態の場合、病院へのお見舞い、新生児との接触などは禁止しましょう。詳しくは病院に行く前に確認をするようにしてください。

爪と付け爪の隙間に生じたグリーンネイルの症例画像・写真

自爪とジェルネイルの隙間の感染

自爪とジェルネイルの隙間の感染

自爪とジェルネイルの隙間の感染(4指)

自爪とジェルネイルの隙間の感染(4指)


爪甲下に発生したグリーンネイルの症例画像・写真

爪甲剥離に伴うグリーンネイル(爪甲下)

爪甲剥離に伴うグリーンネイル(爪甲下)


全指におよぶグリーンネイル(爪甲下)

全指におよぶグリーンネイル(爪甲下)



グリーンネイルの予防法・対策法

ジェルネイルやスカルプチャーなどの付け爪をしている場合、予防法としてもまずは信頼できるネイルサロンで施術を受けることが大切です。そして、付け爪と自爪の間の隙間に気がついたら適切な補修をしてもらうこと、隙間やヒビ、欠けが出来ていないか自分でも定期的に確認をすることを意識しましょう。

ジェルネイルを続けて爪が薄くなると、変形しやすくなり、ジェルリフトが起きやすくなります。これによってグリーンネイルのリスクが高まりますので、付け爪をしないで爪を休める期間を作ることも大切です。

爪の下に隙間がある場合は、爪は短く切り、その隙間まで流水や石鹸で良く洗い、その後は乾燥状態を保つこと。水仕事が多い人は手を長時間濡れたままにしないようにしましょう。

グリーンネイルの治療法……自分で治せる? 病院受診?

爪と付け爪の隙間の感染が認められた場合、まずは付け爪を外し病院受診をしましょう。治療は、症状により患部の清潔、抗菌剤の外用をするなどがあります。2~3週間は自爪で過ごしましょう。感染が落ち着いた後も爪に食い込んだ色素はすぐには落ちず残ることがあります。その場合は爪が伸びるのを待ちます。

爪と皮膚(爪床)の隙間の感染の場合は、まずその隙間が病的な場合は、そちらの治療が優先されることも多いと思います。具体的にはカンジダ性爪甲剥離症ならば、カンジダの治療を。爪白癬による爪甲剥離ならば、白癬(水虫)の治療を。ジェルによるかぶれであれば、皮膚炎の治療を、といった具合です。なお、グリーンネイルに内服治療は不要と考えます。詳しくは病院の指示に従ってください。

グリーンネイルで病院受診は何科?

グリーンネイルで病院を受診したい場合は、皮膚科を受診しましょう。

おわりに

ジェルネイルが普及する現在、グリーンネイルを含む爪関連の相談は増えてきています。しかし正しい知識が十分普及しているとは言いがたいのが現状です。正しい知識と信頼できるネイルサロン選び、そして医療提供を受ける場合は適切な医療機関の受診をお勧めいたします。

  • 症例画像出典:神楽坂 肌と爪のクリニック
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。