投資信託/NISA(日本版ISA)とは?その活用法

イギリスでは預金型ISAが中心

日本版ISA(アイサ)の口座を使って投資できる商品は、何でも認められているわけではありません。基本的に株式、ならびに株式型投資信託等に限定されていますが、なかでも株式型投資信託が中心になるでしょう。

鈴木 雅光

執筆者:鈴木 雅光

投資信託ガイド

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日本版ISA、どんな投資信託を選ぶべきか

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イギリスのISAには、預金型ISAと株式型ISAがあります。かつては保険型ISAもあったそうですが、人気がほとんどなく、株式型ISAに吸収されました。したがって、現在は預金型ISAと株式型ISAの2本立てになっています。このうち、人気があるのは預金型ISAで、現状、ISAを利用している人の約70%が、預金型ISAを活用しているそうです。

これは意外でした。イメージとしては、株式などリスク資産への長期投資が中心と思っていたのですが、実は預金が大半だというのです。

一方、日本版ISAに預金型ISAはありません。株式型ISAのみになります。日本人の場合、個人金融資産の55.6%を現預金が占めているので、なかには「預金型ISAもあればいいのに」などと考えている人もいるでしょう。

でも、昨今のように金利水準が限りなく0%に近い状態では、預金型ISAを利用するメリットはほとんどありません。言うまでもなく、利率がほぼ0%だからです。利息も付かないのに、非課税も何もあったものではありません。

それなら、アベノミクス効果で金利水準が2%、4%というように上昇したらどうでしょうか。それでも、やはり預金型ISAには魅力がないと思います。非課税枠を利用できるなら、やはり期待リターンの高い金融商品で運用するべきでしょう。元本100万円を、年2%の利率で10年間運用しても、非課税の対象となる利息は20万円ですが、同じ金額で株式型投資信託を購入し、10年間で元本が倍になったとしたら、100万円の収益が非課税対象になります。

株式投資信託なら、10年間で元本が倍になる可能性はありますし、非課税メリットを存分に活かすなら、このように期待リターンの高い金融商品で運用するべきでしょう。

そうなると、次に、「どういう株式型投資信託で運用すれば良いのか」という問題が浮上してきます。これについては、長期にわたって運用できる投資信託を選ぶことが肝心です。日本版ISAのスタートに合わせて、「ISA用のファンド」を立ち上げるという話もあるようですが、これは全く意味がありません。日本版ISAは単なる非課税措置なので、既存の商品でも十分に対応できます。恐らく、これに乗じて新しいファンドを立ち上げ、手数料をせしめようという運用会社や販売金融機関が、一部にいるのでしょうが、賢い投資家は、この手の宣伝文句に騙されないようにして下さい。

日本版ISAを利用するにあたって、もし株式型投資信託で運用するならば、最も重視するべきなのは、「長期間運用してくれるファンドを選ぶ」ということです。
日本版ISAの非課税期間は5年。ロールオーバーも併せて考えると、最長で10年間継続運用できます。つまり、日本版ISAの節税効果を最大限に利用するためには、その間、継続して運用してくれるファンドを選ばなければなりません。

ところが、日本の投資信託の平均寿命は、2.4年です。これは、資金が流出して運用資産がどんどん目減りした挙句、繰上償還されてしまうファンドが山のようにあることを意味しています。

したがって、日本版ISAの運用対象は、自ずと絞り込まれます。少なくとも、資金流出が生じているファンドは選ぶべきではないでしょう。出来れば過去5年程度、継続して運用が行われていて、純資産残高の規模が100億円以上あるくらいのファンド群から、投資対象を選ぶ必要があります。
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