全国の自治体が衛生管理に取り組むジビエ

シカ肉

欧米ではベニスンとよばれるシカ肉。

食品安全委員会のジビエのファクトシートによると、日本での管理状況は次のようになっています。

豚や牛などの家畜や鶏、あひるなどを食肉にするには「と畜場法」16)や「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」17)が適用されます。
~略~
一方、野生動物の場合は「と畜場法」や「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」の対象ではありませんが、食肉として流通させる場合には、「食品衛生法」20)の規定を遵守することが必要となっています。
14 の道府県(一部市町村)において、捕獲獣肉の衛生管理等に関して手順や考え方などをまとめたマニュアル、ガイドラインが整備されています10)。
農林水産省では、平成23年3月に「野生鳥獣被害防止マニュアル-シカ、イノシシ(捕獲獣肉利活用編)-」を発行し、衛生管理を含めた様々な情報を提供しています10)。
厚生労働省では、平成23年度より、食品の安心・安全確保推進研究のひとつとして「野生鳥獣由来食肉の安全性確保に関する研究」に取り組んでいます21)。
ジビエは法律に基づく検査が行われることなく流通されているため、ジビエの普及に取り組む各自治体では、ジビエの衛生管理ガイドラインやマニュアルを設け、捕獲・飼育から処理、出荷・販売、調理の各段階での衛生的な取扱いを定め、食品衛生上の安全管理を図っています。また血抜きの処理等、旨味を活かすための処理・熟成などの研究も重ねられています。

自治体によっては食肉処理施設で処理されたジビエは、個体管理番号を表示されているものもあり、購入される際は処理施設、個体管理番号等の表示を確認できるものもあるようです。

レストランの料理だけでなく、ソーセージなどの加工品や、カレーなど、ジビエを利用したメニュー開発も熱心に行われており、私たち消費者も、これまで馴染みの薄かったジビエを口にする機会も増えてきますから、ジビエに関する知識は知っておくとよいでしょう。

ジビエ調理は、しっかり熱を通すことがポイント

食品安全委員会のジビエのファクトシート(平成25年2月4日作成)では、次のようなことが記載されています。
日本においてジビエを介して発症した人獣共通感染症として、加熱不十分な野生シカ肉や野生イノシシ肉を食べたことが原因とみられるE型肝炎や腸管出血性大腸菌O157感染症などの事例があります。また、イノシシ肉の生食による寄生虫(ウェステルマン肺吸虫)の感染が知られています8)。
シカ、イノシシなどの野生動物の肉は中心部まで火が通るよう、十分に加熱することにより、ほとんどの有害微生物は死滅することが確認されています9)。
家庭で、生肉を調理する機会はまだ少ないかと思いますが、もしもそのような機会があれば、くれぐれもしっかりと熱を通してください。ジビエ料理は、強火で一気に加熱すると臭みが出やすく、低めの温度でじっくり火をいれる方がむいているそうですので、もしご家庭で調理する際にはご参考になさってください。

おいしく安全に食べるためにも、詳しく知りたい方は、食品安全委員会のファクトシートなどをご覧ください。

関連リンク
ヘルシーな鹿肉の魅力と調理法(食と健康)

参考/
・旨味成分に富んだイノシシの解体処理および熟成方法について(福岡県)
・日本農業新聞(2013.2.14)
・カルニチン(「健康食品の安全性・有効性」)
・ジビエのファクトシート(食品安全委員会)
・各自治体の衛生管理マニュアルやガイドライン等
その他
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