不動産売却・査定/不動産売却の流れ・基礎知識

不動産買取の仕組みと利用方法(2ページ目)

不動産売却の中で、昨今多くなってきたのが不動産会社による「買取」です。例えば築年数が古いマンションでは、室内をリフォームしなければ買い手がつかないケースがあります。このような場合、不動産会社がお部屋を現状のままで購入する「買取」という方法が行われます。「買取」の仕組みとメリットやデメリットについて説明をします。

風戸 裕樹

執筆者:風戸 裕樹

不動産売却・査定ガイド

買取を利用するデメリット

買取のデメリットは、買取価格が仲介で売却できる価格と比較して大幅に低いということです。買取価格は仲介で売却できる価格の70%~80%程度が一般的です。ここまで価格が低くなる理由は買取後の流れにあります。買取会社は買取を行った後に、大幅なリフォームをしてから販売するケースがほとんどです。ファミリータイプ70平米、3LDKのマンションでのリフォーム費用は400万円~600万円程度が一般的です。販売(再販)価格から、リフォーム費用を除き、さらに買取会社の利益を考慮していますので、必然的に買取価格は安くなります。一方で仲介で売却する場合、買い手がリフォームを実施することに変わりはありませんが、買取会社の利益が乗っていない分、買取よりも高く購入してくれるケースが多いです。

また、なぜほとんどの買取会社が大掛かりなリフォームをするかというと、不動産会社として瑕疵担保責任を2年以上負わなければいけないというところにあります。そのため見えない部分にも問題が無いようなリフォームを実施します。スケルトンといって柱や梁だけを残し、他の設備を全て交換するようなリフォームを実施することもあります。

このことから、少しでも高く売りたいとお考えの場合に買取は適していません。

買取に適した物件とは

ご自身の物件が買取に適しているかどうか、気になりますよね。そこで、どのような物件が買取に適しているかを整理しました。

1.物件が古いという理由だけで買取が適しているとは限りません

物件がそのままで利用できる状態ではない、または築年数が古く、設備が古い場合は買取を検討する必要はまずありません。

築年数が経過

築年数が経過したイメージ

この状態の場合、売り手が売却前にリフォームするには多大な費用が必要になります。さらに、かかった費用以上に売却できる保証もありません。しかし、現在は買い手がリフォーム前提で購入するということもあります。昨今は金融機関のリフォームローンも充実しています。そのため、単に物件が古いからというだけの理由で買取を依頼するというのは間違っています。



2.売却事情が適している場合、長期間売れない場合に検討しましょう

売却に出していることを誰にも知られたくない場合やお金をすぐ欲しいという場合に買取を検討するのが適しています。

また仲介で3ヶ月~6ヶ月程度売却に出しているにもかかわらず、売却が進まない場合に参考として買取価格を確認するのが良いと思います。
しかし、買取価格も常に変動します。3ヶ月や6ヶ月前に出した価格と同じ価格とは限りません。また買取会社によって価格は様々です。売り出し中は、安易に直接買取会社へ連絡するのではなく、信頼できる仲介会社の担当に相談するのが良いでしょう。

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