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介護にも「キャリア段位制度」が導入されます

皆さんは介護業界で始まったばかりの「キャリア段位制度」って聞いたことがありますか。まだ始まったばかりのため、おそらく現役の介護職員にもほとんど知られていないのが現状です。このキャリア段位制度とは内閣府が始めた国家戦略・プロフェッショナル検定であり、現場で働く介護職員の本当の実力をレベル1からレベル7の段階の基準で評価していく仕組みです。これらの制度が介護職員にどのように役立つのかをみていきましょう。

井上 ルミ子

執筆者:井上 ルミ子

介護・福祉業界で働く・転職するガイド

介護キャリア段位制度とは、介護職員に対して知識と技能の両方を兼ね備えた能力を評価するものであり、ヘルパー2級や介護福祉士とはまた違う、介護のプロフェッショナルを認定しようという制度です。

今までは何をもって介護のプロと呼ぶのか明確な指標が存在しませんでした。そこで新たに、あなたは介護のプロフェッショナルであることを認めましょうと制度化したのが介護キャリア段位制度の趣旨です。

ヘルパー2級や介護福祉士の「資格」と「段位」とはここが違う

学ぼうとしている姿

キャリヤ段位制度を知る

キャリア段位制度では、今まで聞き慣れたヘルパー2級研修、2013年4月から始まる初任者研修や介護福祉士資格の替わりになるものではなく、むしろそれらの資格に見合った現場での実践が伴っていることを証明するものです。

研修修了や介護福祉士の養成学校を卒業すると、ある一定の知識が身につきます。採用時に未経験者であっても資格取得者が優遇されるのは、その資格に求められる知識が身についていると判断するからです。

ただそれは現場での実践力を表すものではありません。そのためヘルパー2級や介護福祉士取得者には未経験者もいれば経験者もいます。

今まで介護業界では、実践における評価基準というものがありませんでした。そのため面接では、現場の経験年数や経験談を聞いて即戦力の程度を推し量ってきました。必要とされる部分でありながら、適切に表現できる手段が無かったからです。

そこで今回のキャリア段位制度は、資格取得後の実務経験で得た介護技術力などを、一定の基準で評価し分かり易く証明するものです。

「キャリア段位制度」が設けられる理由

先にも述べましたように、介護現場においては、知識とともに実践で通用するスキルが重要になってきます。実践で通用するとは、適切な知識を持ってそれに合った実力が備わっていることを意味します。資格があるから、経験年数が長いからと言って正しい介護技術力が備わっているとは言えません。

例えば現場経験3年目の介護福祉士とヘルパー2級の両資格者を比較した場合、どちらの方が現場における実践力が高いのでしょうか。確かに同じ経験年数で資格だけを比較すると介護福祉士の方が有利かもしれませんが、ある一定のものさしで実践力を評価するとヘルパー2級の方の方が高いかもしれません。

要するにその人の実際の能力を明確にしようとするのがキャリア段位制度のねらいです。段位とはその人のレベルを評価し、その結果を公に表明したものです。介護の知識だけ、もしくは経験だけが身についているのとは違い、その両者のバランスを持っている人だという意味があるのでしょう。柔道でいう初段、一段、二段、三段にあたるものです。一般に、「三段を持っている」「四段を持っている」と言われると、素人の私達でも強さのレベルがイメージできます。それは業界共通のものさしがありそれが一般的に普及しているからです。

キャリア段位制度はスタートしたばかりですが、将来介護業界で共通言語になった時には、さまざまなメリットが期待できます。
  • 共通のものさしとして実践現場や世間一般において実践力を証明できます。職場でも転職先でも正く実力が伝わります。
  • 査定評価や給料を決める材料となり処遇改善に繋がることが期待されます。
  • レベルが客観視できるので、現役の介護職のみならず、介護職を目指す人でも目標が定めやすくなります。
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