お得なランチメニューは平日のみ、17時までオーダー可能
1階の自動ドアで入店すると、店員の方に誘導され、通常は1階のテーブル席に案内されます。同店は、1、2階のテーブル席。2、3階の宴席フロア、地階のカウンター席と大きく分かれています。宴席フロアやカウンターは少し高めの値段設定。この連載では、ランチ2000円以内を1つの基準としていますので、テーブル席が狙い目、ということになります。お得なランチメニュー、「お昼のお献立」は2つ。「お昼天丼」(1100円)、そして「お昼定食」(1400円)です。こちらのメニューは、平日のみの提供ですが、1階では11時30分から17時、2階では11時30分から15時の間にオーダーできます。1階は“17時までランチ可能”、これはおさえておきたいポイントですね。この日は「お昼定食」を頼みました。
皿に盛られた天ぷらは、エビ2尾に、キス、イカ、野菜が4点という内容。これに白飯、味噌汁、漬物、天つゆ、味に変化を与える塩とレモン、そしてたっぷりの大根おろしが器で出てきます。落ち着いた空間の中で、これだけ皿を並べられると、(食べる前から)ちょっと優雅な気分を味わえますね。ごはんはお代わり自由で、味噌汁、漬物も抜かりなし……このあたりは、老舗名店の共通した点でしょうか。
同店には、エビと貝柱を揚げた名物、「天國特製 かき揚げ丼」(2940円)があります。お椀型に膨らんだ厚みのあるかき揚げ。ちょっと価格レンジから外れてしまいますが、懐に余裕がある際には、一度はいただいてみたい一品ですね。
見た目にインパクト-「海老天重」「あなご丼
別の日に知人と再訪問を。この日は、ランチメニューではなく、通常(グランド)メニューから、“好きなものを頼もう”と決め、2人でメニューとしばしにらめっこをします。エビ好きのわたしは「海老天重」(1890円)、知人は、「あなご丼」(1995円)を頼みます。いろいろなものを楽しむのもいいのですが、この日は“一点勝負”のようなオーダーです。
まずは、海老天重。4本のエビの“枕”に1本のエビが……エビ好きには堪らないいいビジュアルです(笑)油ももたれず、タレもくどくないので、パクパクといただけます。
一方、あなご丼は、上蓋を閉める意味があるのか、というようなこちらもインパクトあるビジュアル。アナゴ2尾に野菜が2つついています。
2人で少しずつお互いのものを分け合って食べてみました。常に火をかけ、一定の温度を保っている同店の丼ダレは、見た目とは違いあっさりしているので、アナゴ天とも相性がいいですね。次回はこちらを、と思ってしまう一品でした。
120年以上にわたって銀座と向き合ってきた同店。客層も年配の方を中心に落ち着いた大人の方が多く、せわしなさはあまり感じない空間です。ランチに時間の制約のない人にとっては、ありがたいメニューと空間。
福沢諭吉が訳語として発表した“文明開化”から10年後、西洋文明が生活に徐々に浸透する中で、銀座で産声を上げた天ぷら店でランチはいかがでしょうか?
■銀座 天國
住所:東京都中央区銀座8-9-11
TEL:03-3571-1092
営業時間:11:30~22:00
定休日:年末年始
地図:Yahoo! 地図情報