銀座と新橋の間、8階建ての本店ビル、銀座 天國
平日・休日を問わず人通りが多い銀座中央通りに面し、銀座8丁目にどかんと鎮座する「銀座 天國」ビル。向かいにはおもちゃ専門店の博品館があります。老舗と貫禄を感じる、地上8階地下1階の本店ビルです。店頭にメニューや値段も掲示されていますので、決して尻込みするようなタイプの入り口ではないですね。天ぷらに加えて、割烹、しゃぶしゃぶ、会席料理もありますが、こちらの連載では、創業時からのメイン料理、“天ぷら”にフォーカスしてお伝えします。
創業は1885年(明治18年)
銀座 天國の創業は、1885年(明治18年)のこと。小さな屋台の天ぷら店が源です。当時の天ぷらは、すしと並んで、いわば現在の“ファストフード”。揚げたてをパクっといただくようなスタイルですね。当時の場所は銀座3丁目。銀座のど真ん中で人気を博したようです。1924年(大正13年)には、現在の場所へ出店。すぐ先に新橋が架かっていたことから、“新橋天國”とも呼ばれていたことが、同店のホームページにも謳われています。その後も増築、新築を重ね、1984年(昭和59年)に今のビルが完成。翌年には100周年を迎えています。
そんな銀座 天國が創業した1885年とは、どんな年だったのでしょうか……。東京では、品川-赤羽間に、そして関西では大阪-堺間に鉄道が開通します。特許法の実施もこと年のこと。第1号特許は、サビ止め塗料という史実があります。ちなみに、すでにこちらでご案内している“100年店”では、銀座のそば店「そば所よし田」、日本橋の洋食店「たいめいけん」も同じく1885年創業の“同期”組です。
では、創業時から銀座エリアで営業を続ける天ぷら店へと参りましょう