TOEFL/TOEFLの基本情報

TOEFLは、iBT、CBT、PBTの3種類が混同されがちです

みなさんの先輩が留学していた場合、TOEFLのアドバイスを求めると、「まあ簡単じゃないけど、なんとかなるだろう」といった反応でしょう。ところが実際受験してみると、「簡単でもないし、なんとかなるとも思えない」!となります(笑えない)。これはひとえに、昔と現行のTOEFLがそれほど異なる、ということ。「TOEFLについて」ガイドをはじめる前に、TOEFLの種類、歴史、変遷を概観しておきましょう。

四軒家 忍

執筆者:四軒家 忍

TOEFLガイド

海外留学

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TOEFL PBTとは?

1960年代に実施されるようになったTOEFLは、最初ずっとPaper-Based Test(コンピューター自体が一般的ではなかった)!でした。これは、
  • Listening
  • Structure and Written Expression(要するに文法)
  • Reading
という3つのセクションからなるテストでした。それぞれが、31~68(あるいは67)で測定され、それを3つ足して、3で割って平均を出し、それに10をかけて310~677のスコアを得ます。基準となる数字を言うと、大学院に進学するために一般的に必要とされているスコアは、現行はiBT=100ですが、これにあたるのはPBT=600です。また、学部進学ではiBT=80が標準的ですが(上智大学国際教養学部への出願も、79が要求されています)、これはPBT=550で表されます。

新旧TOEFLスコア比較

新旧TOEFLスコア比較

内容にも大きな違いがあります。紙幅の関係で少しだけご紹介。

ListeningはPart A, B, Cとわかれていて、Aの問題は、
男性「この絵、好きじゃないなあ。」
女性「わたしもです。(Neither do I.)」
質問:女性は何を言っているか。
解答は4択の選択式です。
これを現行のiBTと比較するほうがムリだ!なんて、すでにiBTを受験された方はおっしゃるに違いありません。iBTに文法のセクションがないことも考慮すると、先ほどのiBT100=PBT600などの換算も違和感があるかも、ですね。

その文法のセクションは、
(1)穴埋め
(2)間違いさがし
という、日本人にはとてもなじみ深い形式でした。これらの問題の多くは、該当箇所だけ見れば、意味がわからなくても正解が得られるという、テクニック満載のセクションだったため、対策としては大きな位置を占めていました。

そんなんでいいのか?!もちろん、当時にも、すでに、Speaking / Writing / Integrative skillsという3つのスキルを測定するという考えはあったのですが、いかんせん、テクノロジーがまだここまで発達していない状況では、どれも圧倒的にマンパワーが必要で、feasibility(実現可能性)というテスティングの重要なポイントを満足できなかったわけです。

TOEFL CBTとは?

これが技術的に多少改善されたのがComputer-Based Testでした。ただ、セクションなど構成は同一でした。ようするにパソコンでやれるようになった、というだけです。その代わり、writingは必須になり、それが文法セクションのスコアに組み込まれました。スコアは各セクションが30点満点、その平均を10倍して、0~300点のレンジでスコアが算出されます。iBT=100CBT=250, そしてiBT=80CBT=213となります。詳しい換算表は、TOEFLを作成、実施しているアメリカの非営利教育団体Educational Testing Service(ETS)のホームページから手に入ります。

TOEFL iBTへ

ETS発行のオフィシャルガイド(現行左)

ETS発行のオフィシャルガイド(現行左)

そして、このCBTも2006年に日本にiBTが導入されたのと引き換えに、この世から消滅しました。現在は、TOEFLといえば、iBT(Internet-based test)のことで、こちらは、
  • Listening
  • Reading
  • Speaking
  • Writing
と4つのセクションからなり、それぞれのセクションが30点満点、これを足し算して合計120点満点のテストとなります。で、それがどういうテストなのか、はこれからのお話しとなります。また、PBTの過去問は、ITP(Institutional program)とカタチを変えて、大学などのクラス分けテストや交換留学の選考などにのみ、限定的に使われています。いずれにしても、これから受験をなさるのであれば、あまり昔の先輩にはTOEFLについては相談にのってもらえないかもしれないですね。
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