オリジンーヌ・カカオ
“カカオの原点・起源”の意味を持つ「オリジンーヌ・カカオ」が自由が丘にオープンしたのは、2003年11月。「自由が丘スイーツフォレスト」のある建物の2階テラスの一画で独立した店舗となっています。「オリジンーヌ・カカオ」の川口行彦シェフは、「ドンク」、「ルノートル」を経て1985年に渡仏。1986年、オープニングスタッフとして「ルショワ」に入社され、「ショコラ・ド・パリ・ルショワ」を起ち上げた方です。それから長年、銀座で「和光チョコレートショップ ルショワ」のシェフを務められ、独立して「オリジンーヌ・カカオ」をオープンされました。日本人の職人として、フランスで創設されたパティシエの国際的協会「ルレ・デセール」に所属を認められた数少ないメンバーの一人で、ショコラティエとしては唯一となります。
様々な種類のボンボンショコラが並ぶショーケース。単品で1つずつ選ぶことができ、各231円。自宅用ならば簡単に透明な袋に入れていただき、詰め合わせギフトならば箱代別途となるのは、ヨーロッパのショコラティエでは普通の習慣です。川口シェフにご相談しつつ、一粒ずつ選んで6粒入りのギフトにしていただきました。
なお、2013年2月9日(土)~14日(木)のバレンタイン期間、ボンボンショコラはセット商品のみで、単品販売はお休みとなります。
フランスのショコラティエ達とも交流が深く、バレンタイン時期に来日している旧友達からもよく電話を貰うという川口シェフ。最近のショコラは、古典的な物が見直されている傾向だと感じていらっしゃるそうです。ジャンドゥージャとビターチョコレートを組み合わせた「オテロ」も、そんな古典的な素材表現を意識したというボンボンショコラ。ジャンドゥージャ系は他にもありますが、ナッツの大きさや食感が異なったりして、飽きずにそれぞれ楽しめます。
シンプルなガナッシュも、2種を食べ比べると印象が全く異なり、チョコレートの奥深さが感じられます。金色のロゴ店名入り「オリジンーヌ・カカオ」は、苦みも強くがつんと力強いインパクトがありますが、ベネズエラにある湖の名前がつけられた「マラカイボ」は、三種類のチョコレートをブレンドし、上品でやさしく、誰にとっても食べやすい味にまとまっています。
「オリビエ」は、黒オリーブ入りで、ほのかな塩味が印象的な一粒。最近は、「塩」がアクセントとなっているショコラも、珍しくなくなりましたが、8年ほど前に登場した頃には、このようなショコラは他になく、最初にいただいた時はとても斬新でした。中のガナッシュにも、生クリームとオリーブオイルをブレンドして使っていて、綺麗に乳化させるには、ショコラティエの高い技術が必要です。
「ヴィーナス」は、柚子風味のビターチョコレートガナッシュにアプリコットのコンフィ入り。酸味のある柚子に別の酸味を合わせることで、名前どおり、女性が好みそうな味わいに仕上げられています。表面にピンクペッパーが散りばめられた「ジャマイカ」は、以前に川口シェフがカカオ産出国であるベネズエラを訪問した際に、パッションフルーツも収穫できると聞き、ジャマイカ産のピンクペッパーと合わせてみようと考え、この名前をつけることを決めたのだそう。パッションフルーツの酸味がすっと広がる中に、上にのせられたピンクペッパーのおかげで、トーンが変わることが狙いだそうです。
こんなふうに、川口シェフに、チョコレートについてのお話を伺うと、1粒ずつへの思い入れを、丁寧に聞かせてくださいます。
では、「オリジンーヌ・カカオ」のカウンターバーでいただける限定メニューを、次のページでご紹介します。