質問1:
フランスやブラジル、韓国と、各国のサロン・デュ・ショコラに出店されていますが、各国のショコラやカカオに対する印象はどのような違いがありましたか? 特に最新の韓国はいかがでしたか?ご回答:
「サロン・デュ・ショコラ」は国により、開催の形態や、方式がかなり違います。「salon(サォン)」というのはフランス語で、展示会という意味があります。私は今まで、フランスはパリ、リヨン、ブラジルはバイヤ、韓国はソウル、そして日本は東京はじめ名古屋、京都、札幌など様々な場所で、参加させていただきました。 やはりその国により開催の仕方、熱気、雰囲気はかなり違います。
一番違うのは日本です。日本は百貨店の催事的なイメージですよね。他の国ではチョコレートフェスティバル的な感じです。どこの国もそれなりに良さがあります。
ブラジルのバイヤでは、2012年6月に第1回目が開催されました。ブラジルはカカオの生産国。チョコレートへの理解は深く、カカオのことをよく理解し、カカオやチョコレートに関わる仕事に従事する人も多く、チョコレートへの情熱を感じることができました。チョコへの情熱が熱い熱い国、それがブラジルですね。ブラジルはもともとヨーロッパ人の移住の人が多いので、ヨーロッパ文化も盛んです。
今年1月、新宿の直前に韓国ソウルで行われた「サロン・デュ・ショコラ」は初めての開催でしたが、大勢のお客様が来場して大成功でした。入場料を支払う方式で、パリのように大きな展示会場で行われましたが、規模的にはパリの4分の1程度だったかと思いますが、ファッションショーあり、音楽あり、セミナー、デモンストレーション、子供のためのお教室など内容は盛りだくさんでした。
フランス人の出店の何ブースかあり、大変盛り上がっていました。日本とは売れる傾向が違うのと、やはり、超高級チョコレートは販売が大変そうでした。チョコレートへの興味はすごく感じますが、購入には至らない、高すぎて手が出ないという方が多かったように感じます。日本は高級なものがすごく売れます。これは世界でも珍しい傾向ですね。
2013年1月、東京・伊勢丹新宿店で開催された「サロン・デュ・ショコラ2013」でも、限定商品の実演販売が話題に。ヨーロッパ中世から伝わる伝統菓子「ゴーフル」を「テオブロマ」流にアレンジした「ショコフル」(催事期間中のみ販売)を自ら焼き上げる土屋シェフ
質問2:
その中で、日本のショコラティエとしてやっていきたいこと、発信していきたいことは何ですか?ご回答:
私はあまり日本ということを意識していませんが、一人のショコラティエとして、クリエーターとして何ができるかを常に考えています。海外のお客様からは日本の味を求められますね。韓国ではフランスのものより日本のものの方がいいという方も多いですよ。日本人としていうよりは、自分の考えるショコラというものを、発信し続けたいですね。質問3:
今後、お店やショコラに関してやりたいこと、ご計画はありますか?ご回答:
カカオ豆の栽培現場を何カ国も見せていただいて、カカオ豆に対する興味が膨らむばかりです。今後、小規模でカカオ豆からチョコレートを作る人が増えてくるでしょう。 私は私なりに、カカオ豆から、チョコレートになるまでのステップを勉強して、オリジナル土屋ショコラを作っていきたいですね。ただ、これは競争ではありませんので、地道に考えております。以上のように、日本を代表するショコラティエのお一人、土屋シェフならではのご回答をいただきました。これからも、“土屋シェフ”ならではのショコラやご活動に注目していきたいですね!
<ショップデータ>
ミュゼ・ドゥ・ショコラ・テオブロマ 渋谷本店
住所 東京都渋谷区富ヶ谷1-14-9 グリーンコアL渋谷 1F
電話 03-5790-2181
営業時間 9:30~20:00
定休日 年中無休(年末年始を除く)
URL http://www.theobroma.co.jp/
次のページでは、日本で唯一、フランスの「ルレ・デセール」に認められたショコラティエをご紹介します。