洋菓子マウンテン × CELLAR DE CHOCOLAT(セラー・ド・ショコラ)
このお店は、今回ご紹介してきた5店の中で、最も若い世代の職人によるショコラティエとなります。毎年1月に伊勢丹で開催される「サロン・デュ・ショコラ」に「ナオミミズノ×洋菓子マウンテン」として出店し、東京にもファンの多い水野直己シェフ。お父様の代から地元・福知山市内で続けてきた1978年創業の「洋菓子マウンテン」ですが、2012年4月24日に、同市内で移転し、新ショップがオープンしました。
こちらの「洋菓子マウンテン」の中に、水野シェフによるショコラ&マカロン専門ブランド「CELLAR DE CHOCOLAT(セラー・ド・ショコラ)」が併設されているという、ちょっと秘密の隠れ家のようなショコラティエがこちらです。
私も昨年の初夏に、All Aboutチョコレートガイドの市川歩美さんと一緒にお店に伺って参りました。なお、私達は、京都から福知山線に乗っていきましたが、神戸の三宮から高速バスが出ているので、あらかじめ時刻表を調べて往復の便をチェックしてから行くのもお薦めです。
セラー部分は店内の左手奥にあり、文字通りワインセラーのような内装で、ひんやりした空気。煉瓦作りの壁に映し出されているのは、水野シェフが2007年に優勝したチョコレートの世界大会「ワールドチョコレートマスターズ」の映像です。
大会優勝トロフィーを飾ったスペースもあり、水野シェフ曰く、「ワールドチョコレートマスターズ自体を、もっと多くの人に知ってもらえるよう、発信していきたい。」とのこと。フランスの「サロン・デュ・ショコラ」内で二年に一度開催される大会、「ワールドチョコレートマスターズ」に、日本人として初優勝したのが水野シェフでした。水野シェフはその後も、日本予選の審査員を務めたり、後に続く選手達をサポートしたりと、日本のチョコレートのレベルを引き上げるため、様々な貢献を続けていらっしゃいます。
新店舗のロゴは、水野シェフのイニシャル「NM」の文字で、カカオ豆の入ったカカオポッドを表現したマークになっています。ちなみに、店名のプレートの文字は、水野シェフが尊敬するあるシェフが書いてくださったという、大事な宝物なんだそうです。気になる方は、お店を訪ねて、水野シェフに直接伺ってみてくださいね!
店内では、催事の時にはセット販売が基本となるボンボンショコラも1粒ずつ選べます。種類豊富でカラフルな人気のマカロンも、もちろん揃っています。
ウィーンの伝統菓子として知られる「ザッハトルテ」ですが、「CELLAR DE CHOCOLAT(セラー・ド・ショコラ)」のザッハトルテは、ショコラティエらしい、水野シェフのオリジナルです。
外側のチョコレートコーティングは、ウィーンのクラシックなタイプよりも食感もしっかりで存在感があり、中の生地もチョコチップがたっぷり練り込まれていて、ザクザクした歯応えです。3層にカットされて杏ジャムが2層に塗られ、チョコレートの豊かな味わいに酸味のアクセントを添えています。トップに飾られている、幾何学的なカカオポッド模様のチョコレートプレートもオシャレです。
お店を訪ねたら、ぜひゆったりとイートインで楽しみたいですね。水野シェフのお菓子をその場でいただくことはできるのでしょうか? 次のページでご紹介します。