マネジメント/組織マネジメントとは

組織の7S~その1「価値観(Shard Value)」(2ページ目)

組織マネジメントを理解する上で有効なツールである「7S」。7つの経営資源、まずはじめに知っておきたいのは「価値観」です。「価値観」は、組織の“共通言語”あるいは“憲法”であり、組織マネジメントにおいて中心的役割を果たすもっとも重要なファクターなのです。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド


企業活動における「基本理念」「ビジョン」の関係は、図のように表すことができます。まず一番の高みに「基本理念」があり、その下で「ビジョン」は成り立ち、それら企業の「価値観」に基づいて「戦略」以下の具体的なものに落とされていくわけです。
 

図解

「価値観」=「基本理念」と「ビジョン」があってはじめて、「戦略」「管理」「業務」が有効に機能する組織マネジメントが成立する

 

「価値観」は組織の“共通言語”

「価値観」は制定をすることに意味があるのではありません。制定後、様々な手立てによって組織内へ浸透をはかりメンバー一人ひとりに強く意識させ共有をはかることではじめて、その役割を果たすことができるのです。事業を進める上でのあらゆる場面における意思決定や、行動の優先順位を決める際の判断基準となる、いわば組織内だけで通じる“共通言語”であり“憲法”でもあると言ってもいいでしょう。

すなわち企業活動において、「基本理念」「ビジョン」といった企業の「価値観」が存在しない組織は“共通言語”や“憲法”がないのも同然であり、「組織マネジメント」自体も存在していないと言っていいでしょう。また前エントリーでも触れたように、「価値観」は「ソフトの4S」に属する経営資源でありその構築や浸透には「ハードの3S」に比べて時間がかかります。「基本理念」「ビジョン」が組織の成長と共に変わっていくことは必然でありますが、組織マネジメントの状況を踏まえない唐突、頻繁な変更は組織統制を欠く原因となりますので、その変更には十分な配慮が必要です。


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