日本版401kの次は、イギリス生まれの日本版ISA?
4月から盛り上がりそうな金融商品のひとつに「日本版ISA」というものがあります。おそらく4月以降、広告が増えてくると思われます。「日本版ISAはわが社で!」みたいな感じです。おすすめされるのは嬉しいのですが、そもそもISAって、何でしょうか。日本版401k(確定拠出年金)は、アメリカの内国歳入法401条k項に由来することからそう呼ばれています。アメリカから輸入された制度だったのです。アメリカでは最大の企業年金であり、投資信託を保有する最大の受け皿のひとつとなっています。日本でも10年をかけて会社員の約7人に1人が利用する制度になりました。
日本版ISAはというと、こちらはイギリスからやってきた新顔です。直訳するなら、個人貯蓄勘定(Individual Savings Account)の略です。1999年にイギリスで制度をスタートさせてみたところ好評であり、国民の資金準備に役立ち、金融市場の活性化にもなったということで、その魅力が喧伝されています。
日本では2013年12月をもって証券優遇税制(原則として利益の20%課税するものを10%に下げていた)が終了することから、新しい受け皿のひとつとして日本版ISAがスタートすることとなったのです。
日本版ISAのしくみを簡単にご紹介
日本版ISAの仕組みを簡単に解説します。まず、日本版ISA専用口座を銀行や証券会社で開設します。税制優遇がありますので、税務署の口座開設確認が必要です。同時に2口座を開くことはできません。毎年、100万円までがISA口座で運用可能な金額になっており、株式や株式投資信託などを購入することができます。この100万円までの投資額については、どれだけ儲かっても非課税となり、そのまま利益を受け取れます。
売却益非課税の優遇期間は5年です。5年間の間に売却して利益を受け取る方法(非課税で)と、5年後に値上がりした価格を購入した価格と読み替えて証券口座等に移動する方法(つまり儲けに税金はかからないですむ)と、5年後に新しいISA口座に移す(100万円以内の場合。非課税)方法の3つから選択することができます。
ISA口座は年1口座100万円ずつ利用できますので、5年間で500万円まで非課税投資を行う枠が得られることになります(とりあえず10年実施し、その後制度を恒久化するか検討するとしている)。
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