思春期から大人まで、幅広い年齢の方が悩んでいるニキビ、その種類を詳しくご説明し、対処法の理解にも繋げていきたいと思います。
思春期ニキビと大人ニキビの違い
「もう大人だから“ニキビ”じゃなくて“吹き出物”よね」という一見遠慮がちな発言。しかし、“ニキビ”も“吹き出物”も同じ俗称で、医学的な病名は『ざ瘡』と言います。決して出世魚の様に年齢によって呼び方が変わる訳ではありません。一方、思春期ニキビはTゾーンに、大人ニキビはUゾーンに出来やすい、という傾向があります。しかしそれはあくまで傾向であり、必ずではありませんし、混合タイプも存在します。
ニキビの種類とメカニズム
ニキビはズバリ、『毛穴の病気』と言えます。毛穴の構造と、ニキビの種類について段階を追ってご説明していきましょう。
1.正常な毛穴
正常な毛穴
まずはじめに、毛穴の構造を理解しましょう。毛穴には、皮脂腺といって皮膚の脂がつくられる器官が開口しています。そこから皮脂がつくられて毛穴の中に分泌されます。皮脂の分泌量は、皮膚の部分により異なります。
2.ニキビの初期状態「毛穴の入口のつまり」
毛穴の入口がつまった状態
様々な原因で、毛穴の入口が狭くなると、皮脂がスムーズに外に排泄されなくなります。これが、ニキビのはじまりです。
3.毛穴の中に皮脂が溜まる「白ニキビ・黒ニキビ」
毛穴の中に皮脂がつまっている状態
皮脂が外に出ないで、毛穴に溜った状態が「白ニキビ」です。溜まった皮脂は固まりになり、徐々に硬くなります。この固まりのことを「コメド(面ぽう)」と言います。
毛穴の入口は開いているのに、コメドがつまっている状態もあります。その場合は、入口部分が空気に触れることで酸化して黒くなるので、「黒ニキビ」と言います。
4.毛穴とその周りに炎症が起こる「赤ニキビ」
毛穴と周辺に炎症が起こった状態
コメドが溜まったままになると、皮膚の常在菌であるアクネ菌が毛穴で繁殖し、毛穴とその周りに炎症を起こします。「赤ニキビ」と呼ばれる状態で、症状としては、赤みや腫れで、痛みも伴います。
この状態が治ると、痕が色素沈着(褐色のシミ)となることもあるため、早めに炎症を抑える必要があります。
5.炎症が強くなると、毛穴の中に膿を持つようになる「黄色ニキビ」
毛穴の中に膿が溜まった状態
赤ニキビの炎症がさらに強くなると、「黄色ニキビ」と呼ばれる膿を持った状態になります。医学用語で「膿疱(のうほう)」と言います。
黄色ニキビは、毛穴の周りの皮膚組織を破壊することもあり、ニキビ痕として瘢痕(はんこん)、いわゆるクレーターが残るリスクがあるため、赤ニキビ同様、早めの治療が必要です。
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