気がついたら出産適齢期を過ぎていた

仕事に趣味に没頭して気づいたらもうこんな年、人生計画を忘れていたけれど今からでも間に合うなら子供が産みたい……という女性がこの10年で急速に増えてきました。

この2~3年は「卵子の老化」、「体外受精」、「顕微授精」という言葉を聞かない日はないくらい一般的になり、生殖医療の進歩はこのような女性に恩恵をもたらしました。その一方で、顕微授精をしてもなかなか妊娠しにくい、できない、できても流産を繰り返してしまう女性も多くいます。子どもを作らなければならないという思いと、時間との戦いのストレスで押しつぶされ、誰にも相談できず、出口のない迷路の中に入りこんでしまう女性が急増してきています。

また体外受精、顕微授精には特定不妊治療助成制度(東京都)もありますが、医療費が保険外適応なので、金銭的に余裕がある夫婦は治療できますが、そうでない夫婦は子どもを諦めざるを得ない状況もあり、理解に苦しみます。

40代女性の揺れ動く心

医療費がかかるので、仕事は辞められない、ただホルモン注射や採卵もあり、仕事にも支障が出る……。不妊治療する35歳以上の女性のなかには、役職もついていて、管理職の女性も珍しくありません。自由に仕事を休めなくなると、仕事か子どもかの二者択一を迫られて、最終的には退職という苦渋の決断を迫られることも。退職してはみたものの、子どもを授かる保障もなく悶々としている女性もいます。

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結局、仕事が順調に行っている時が、子作りには一番最適な時期という、なんとも皮肉な現状があります。それを20代の時に知っていたら、また違ったかもしれないと皆さん口々に言うのですが、ではその時期に結婚、子作りを考えられたらそうしたか、という問いには口を閉ざしてしまいます。

これだけ女性が社会進出した今、思春期からの性教育も、避妊中心ではなく、生む時期を決める、ファミリープランニングとしての位置づけをするために、もう一度見直さなければならない必要を感じます。

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卵子の老化は止められない

日本の出生率は1.39ですが 大都市にいくと、1.12と急激に下がります。35歳以上の妊娠数も25万人を越え、全出生数の4分の1が35歳以上での出産です。

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下の表のように、卵子の数は20代の12万個から40歳になると、5000個以下になり、茶色く変性したり萎縮して質も低下します。その結果をよく物語っているのが、日本産婦人科学会が発表している体外受精のデータです。体外受精の成功率も25歳が20.5%だったのが35歳で16.8%、40歳で8.1%と下落します。どんなに高価なアンチエイジングの美容液を使っても、加圧トレーニングをしても、卵子の老化だけは食い止めることができないのです。

だからといって卵子凍結は抗がん剤治療や難病治療の二次的適応以外では、今の日本では認められていないので、海外の道へ頼ることになります。
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