ジョンカナヤ恵比寿、オープン
2013年1月17日にオープンしたショコラトリー「JOHN KANAYA(ジョンカナヤ) 恵比寿」。このお店のショコラを、伝説のジェントルマン、ジョン金谷鮮治を抜きに語る事はできません。彼の美意識と、それにまつわるショコラの数々をご紹介します。ジョン金谷鮮治とは
1970年代、西麻布に存在した伝説のレストラン「西洋膳所 ジョンカナヤ麻布」。西洋の先進的な料理、インテリア、洗練されたサービスは革新的で、数多くの著名人、セレブリティを魅了していました。日本でいち早くフランス料理を箸で食べるスタイルを提唱したのもこのレストランです。このレストランのオーナーだったのが、ジョン金谷鮮治。いつも真っ白なリンカーンコンチネンタルで店にやってきたそうです。その姿は、大使館の多い麻布、六本木界隈でも際立っており、高度成長期に湧く東京でも抜きん出てダンディ、そしてハンサムな紳士として異彩を放っていました。
トレードマークだった葉巻をくゆらせながら、ワインを片手に楽しんでいた彼が、料理人たちに常に話していたのはチョコレートのこと。チョコレートを深く愛した彼は、幾度となく足を運んだヨーロッパ旅行で、家族へのお土産としていつも高級チョコレートを持ち帰り、料理人たちには「いつか自分のレストランでも最高のショコラを提供したい」と話していました。……そう、お気づきになりましたか? 彼は当時からチョコレートのことを「ショコラ」と呼んでいたのです。
孫との初面会時に「How do you do, nice to meet you.」と英語で挨拶、「Shake hands!」と手をさしのべた、ローマのレストラン「アントニオ」では行くと必ず特別な貴族向けのカトラリーがテーブルセッティングされた、突然ダイヤモンドで美しい社員章を作り社員に配った、など様々な逸話を残すジョン金谷鮮治。この後はショコラトリー「JOHN KANAYA」のショコラを、彼のエピソードとともにご紹介していきます。