2013年の新規設定ファンドに明確なトレンドは出ていない

2013年の新規設定ファンドのトレンドは?

2013年の新規設定ファンドのトレンドは?

2013年が始まってから約1カ月しか経過していないため、新期設定の投資信託に新たなトレンドが出ているわけではありません。2013年1月29日時点ですが、外国債券を投資対象とする商品が中心で、株式を投資対象とする商品は数本という状況です。

債券の投資先も、豪ドル債、高利回り社債、新興国債券などと変わりはありませんが、正確には2012年12月27日設定のメキシコ・ペソ債券ファンドは、毎月決算型ファンドとしては初の商品のはずです(運用は新光投信)。

また、2012年に堅調であったJリートを投資対象とするファンド(通貨選択型は除く)の設定も昨年終盤から新規設定がぽつぽつ出て来ました。あくまでの指数ベースになりますが、グローバルリートよりもJリートの方が利回りが高いことから利回りに着目する限りにおいては、Jリートファンドの新規設定が増える気がしてなりません。

一方、2012年終盤から急騰している日本株ですが、日本株を投資対象とする投資信託の新規設定はまだありません。日本株の急騰が半信半疑なのかもしれませんが、日本株の堅調が続けば、テーマ型ファンドあたりの新規設定がある気がかもしれません。たとえば、「アベノミクスファンド」などのように……。

投資リテラシーが上がったのかの試金石になるかも

新規設定ファンドのトレンドが出ていないのは時期尚早という面があると言えるのかもしれないため、2012年あるいは2011年のトレンドは続くのかを予測してみましょう。2011年の大人気商品であった「通貨選択型投資信託」の人気、正確には新規設定は2012年に入って急減しました。

金融庁などが毎月分配型投資信託の分配金のあり方に規制を設ける、あるいは適合性の原則を徹底させるなどの検討が図られるという一報が報じられた以降、新規設定を控えたようです。もちろん、一報だけがその要因ではなく、円高/外貨安などにより高い分配金の割には、騰落率は大したことはないことなども要因と考えらえます。

ただ、新期設定は大幅に減少したものの、通貨選択型投資信託への資金流入は大幅に減少したわけではありません。むしろ、かなり健闘したと言えるかと思われるのは、ひとえに「円」コースが存在したからです。昨年、独り勝ちに近い形で資金の流入があったのが、為替ヘッジありタイプの外国債券型投資信託でした。通貨選択型投資信託の円コース(投資対象が外国債券タイプ)は、為替ヘッジありタイプの外国債券投資信託と同じカテゴリーになるからです。

為替ヘッジありタイプの投資信託ですが、円安が進んだ2012年12月にも人気は衰えなったようですが、円安トレンドが長引くことで徐々に為替ヘッジなしタイプに人気が移るのではないかと筆者は予測しています。2013年1年間を通して、為替ヘッジありタイプの外国債券型投資信託の人気が昨年のように継続したのならば、日本の投資家のリテラシーはかなり高くなったと言えるでしょう。

なぜなら、いたずらにリスクを取ることなく、健全な運用を続けるという自分が取れるリスクの範囲内で運用する、言い換えれば、上手にリスク管理を行うことができるようになった筆者が考える以上に進歩したことになるのですから。その場合は、素直に反省しなければなりませんね。

2012年に新たに登場したカテゴリーはどうなるか

通貨選択型投資信託は円コースがある、あるいはさまざま通貨コースがある(=為替ヘッジなし)ことで、2013年も人気を保てる可能性がありますが、2012年に新たに設定されたカテゴリーについても予測してみましょう。

2012年の新たなカテゴリーのヒット商品は、コールオプションを活用した「カバードコール戦略」の商品です。コールオプションを売却することにより、そのオプション料を投資対象資産からのインカムゲイン(利子、配当金等)に加えることで、1万口当たり100円などという高額の分配金を実現した投資信託です。昨年の資金流入ランキングのトップ10に3本もランクインする人気でした。たとえば、「野村豪ドル債券オープン・プレミアム(毎月分配型)」などのように、商品名に「プレミアム」などのような一言加えられている商品がカバードコール型に当たります。

新規設定したのは野村アセットマネジメントでしたが、売れ行きを見て他の運用会社も追随し始めているため、今年も人気が継続する可能性は高いと思われます。ポイントは、銀行が取り扱いを始めるか否かでしょう。通貨選択型投資信託は、銀行の取り扱いが始まりその勢いが加速したことから、一世を風靡するようなカテゴリーに成長したからです。

もうひとつが「定期取崩型」というタイプです。通貨選択型を含む毎月分配型投資信託の分配金のあり方を検討すると金融庁が表明したことを反映して、出てきたカテゴリーが定期取崩型(表記は異なることもあり)です。定期取崩型を一言で表せば、運用成績如何に変わらず、決められた分配金額(分配割合)を投資家に還元する商品です。予め、分配金額が決まっているのが特徴(一定期間ごとに取崩額は見直されることもあり)です。

2013年に入ってからも新規の設定が行われていますが、今一つ投資家に浸透していないようです。一定額が支払われる安心感はあるのかもしれませんが、運用がうまく行かない場合は元本を取り崩して分配金を支払うと謳っていることに抵抗があるようです。

定期取崩型以外の毎月分配型投資信託でも、運用成績が芳しくないと元本の取崩は行われているのですが、オブラートに包まれている(本当はよくないのですが)方が投資家に取っては好意的と今のところは見ているようです。筆者としては、それなりのカテゴリーに成長してもらいたいと思っているのですが、2013年の販売も苦戦するような気がしてなりません。
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